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「どんでん返し」の要素がある、といえば映画の中でも特に好まれるジャンルで、Google検索にかけてもいっぱい出てくるし、レンタル店にも「どんでん返しのある映画」「アッと驚くラストの映画」といった棚があったりするもの。確かに「実は主人公は〇〇なんだ」とか「〇〇と思ってたら真相は××だった」みたいにそれまでの予想を覆されると、観客は騙されているはずなのに怒りもせずにスカッとした、いい気持ちになってしまいます。そういう人たちでも詐欺にあってしまったり、仮想通貨で全財産すったりしたら、スカッとするどころじゃないはず。本能では騙されたいと思いながらフィクションの、映画の中だけで済ませたいという欲求の表れかもしれません。
こういった映画を楽しむポイントは「どんでん返しがあるということを知らずに観ること」です。中には宣伝上の売りとして「衝撃的なオチ!」とか堂々とチラシに書く映画もありますが、それじゃ最後の方に身構えちゃうだろ!「ラスト5分の衝撃!」とか惹句に使われた映画はそのラスト5分に身構えちゃうだろ!
なので今回とりあげた映画を楽しむために今読んだ内容はすべて忘れてから観てください。そう、このまえがきがどんでん返しだった。
ランキング結果
1位ゾン100 〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜(映画)
引用元: Amazon
『ゾンゲリア』(原題:Dead & Buried)は、1981年のアメリカ映画。原題は直訳すると「死と埋葬」といった意味である。
2位サスペリア PART2/紅い深淵
引用元: Amazon
『サスペリアPART2』(原題:Profondo Rosso、英題:Deep Red)は、1975年公開のイタリアのダリオ・アルジェント監督によるミステリー映画である。日本公開は1978年9月15日。タイトルは日本独自のもので『サスペリア』の続編ではない。後年発売されたDVDでは『サスペリアPART2/紅い深淵』という副題がついた版もある。
約束です!決してひとりでは見ないでください
「約束です!決してひとりでは見ないでください」
という公開時の惹句でおなじみのミステリー映画。
連続殺人事件が起き、その犯人は誰か?というミステリーだが本作最大のトリックは序盤で犯人の正体が明らかにされているのに、初見では絶対誰が犯人なのかわからない。二度見直した時にようやくトリックが発覚するのだ。
観客の予想をミスリードさせる仕掛けや伏線が十二分に張り巡らされており、映画秘宝ムック本の「ミステリ映画オールタイム・ベスト10」でも堂々一位に輝いたのも頷けるミステリー映画の最高峰。
邦題からして続編モノかと思いがちだが、これは監督のダリオ・アルジェントのホラー映画『サスペリア』が日本で公開され話題となり、発掘される形で『サスペリア』より前につくられた本作が日本公開された。その際、同じ監督の作品ということでこのようなタイトルがつけられてしまった。二作品の間にテーマや登場人物の関連性は一切ない。
思えばこの邦題が最大のトリックだった!
某有名アニメ映画が元ネタ
『アイ、ロボット』のアレックス・プロヤス監督によるSF映画。
一日中闇に閉ざされた街を舞台に記憶を失った男が連続殺人事件の容疑者として追われる。男は失われた記憶の中にフラッシュバックするシェル・ビーチと呼ばれる場所へたどり着こうとするのだが、『ヘルレイザー』風のいで立ちの集団が男を襲う。連中は「チューン」という謎の能力で男を追い詰めるが、男もまたチューンの使い手であった・・・
箱庭のような閉鎖空間で宇宙規模の壮大なスケールの物語が展開し、ラストは本当に宇宙に飛び出してしまう。日本では某有名アニメ映画が元ネタなんじゃないの?と話題となり口コミでカルト化した。
4位ダークネス(2002年)
引用元: Amazon
『ダークネス』(Darkness)は、2002年のスペイン・アメリカ映画。
唖然とする結末
スペイン発の秀逸サスペンス。監督はのちに『REC/レック』シリーズで大ヒットを飛ばすことになるジャウマ・バラゲロ。彼の全米デビュー作。
アメリカから父親の故郷、スペインに引っ越してきた一家。長女のレジーナはアメリカにいる彼氏のことが気になる一方、弟のポールは気持ちの悪い絵を描いて暗闇の中をずっと見つめているし新しい生活になじめない。父親のマークがてんかんの発作を起こして倒れてしまい、この家には何かあるかもしれないと睨む。
レジーナはスペインまで会いに来てくれた彼氏のカルロスと二人で真相を調べる。どうやら40年前にこの家で起きた児童惨殺事件が影響しているようだ・・・
オカルト要素を巧みに操って直接的な描写よりも心理的な恐怖描写にはのちの『REC/レック』シリーズの片鱗が伺える。そしてラストはあっと驚く大どんでん返し!
『X-MEN』のアンナ・パキンと『バイオハザード』シリーズのイアン・グレンが出演。
5位猿の惑星
引用元: Amazon
制作年 | 1968年 |
---|---|
上映時間 | 112分 |
監督 | フランクリン・J・シャフナー |
メインキャスト | チャールトン・ヘストン(ジョージ・テイラー大佐)、ロディ・マクドウォール(コーネリアス)、キム・ハンター(ジーラ博士)、モーリス・エヴァンス(ザイアス博士)、ジェームズ・ホイットモア(議長)、ジェームズ・デイリー(オノリアス)、リンダ・ハリソン(ノバ)ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | - |
自由の女神
誰でも知っている、映画史上最大のどんでん返しがある作品。現在日本で買えるDVDのパッケージにネタバレが堂々載っているぐらいの有名作。なのであえて説明しない。
公開当時にまったくオチを知らない状態で見ることができた人がうらやましい。オチを知っていたとて、色あせることのない名作ではあるが。
6位未来世紀ブラジル
引用元: Amazon
『未来世紀ブラジル』(原題: Brazil )は、1985年公開のSF映画。監督はモンティ・パイソンメンバーのテリー・ギリアムで、情報統制がなされた「20世紀のどこかの国」の暗黒社会を舞台としている。オーウェルのディストピア小説が、映画の一つの題材になっている。またロバート・デニーロが出演している。
体制を破壊せよ
テリー・ギリアムのディストピア映画。
全体主義世界に敗北する様が描かれているのがいかにもギリアムらしい。彼はその後も自分の作品を巡ってあらゆるトラブルに反抗し続け、牙をむくのだった。統制された社会に埋没するのを良しとせず、戦わずにいられない人間の物語である。
7位手紙は憶えている
引用元: Amazon
『手紙は憶えている』(てがみはおぼえている、原題: Remember)は、2015年製作のカナダ、ドイツ映画。ホロコーストを題材にしたサスペンス映画。アトム・エゴヤン監督。
認知症老人の復讐ロード・ムービー
カナダの巨匠、アトム・エゴヤンによるホロコースト映画。
介護施設で暮らす老人ゼヴは認知症で最愛の妻を亡くしたことさえ忘れかけている。ゼヴと同じ施設で暮らす車椅子の友人マックス、二人はアウシュビッツの生き残りでナチスに家族を殺されていた。家族の仇である元ナチスのオットー・ヴァリッシュがルディ・コランダーという偽名で今も生きていることを知る。体が不自由なマックスはゼヴに自分の代わりにコランダーを殺してほしいと頼む。ヴァリッシュらしき人間は4人にまで絞り込まれており、4人のうち誰かが仇だ。
認知症が進行しているゼヴは目的を忘れないよう、コランダーのことを認めた手紙を持たされ復讐の旅に出る。
ヨタヨタと歩き、一度寝てしまうと目覚めたときには自分が何をしているのかも忘れてしまうような老人に復讐殺人ができるのか?
最初はギャグなのかな?と思ったものの、終盤緊張度は高まりあまりにも衝撃的なクライマックスを迎える。
復讐の旅を重ねていく中でナチスがかつて犯した蛮行が一部では英雄視されているのはゾッとする恐ろしさがある。「ラスト5分の衝撃」だけが取り沙汰されがちですが、そういう描写も見どころ。
8位フォーガットン
引用元: Amazon
『フォーガットン』(原題:The Forgotten)は、2004年に公開されたアメリカ映画。 公開当時、「『シックス・センス』以来、最も衝撃的なスリラー」と宣伝された。
空の彼方に飛んでいく
日本で公開された際、
「『シックス・センス』以来、最も衝撃的なスリラー」
と銘打って公開された。確かにある意味では衝撃的だった・・・
最愛の息子を飛行機事故で亡くした母親テリー(ジュリアン・ムーア)は塞ぎ込み精神科に通っている。息子を記録したビデオテープを日がな一日見ているテリーを立ち直らせようとする夫と精神科医だが、ある日ビデオテープの記録が消えていることを知ったテリーは夫を責める。だが夫は「初めから息子なんていなかった。君は心の病の治療中なんだ」と言われる。
息子や事故に関するあらゆる記録が消されていることに呆然とするテリー。しかし記憶だけは残っていた。同じ事故で娘を亡くした中年男性アッシュと二人で真相を探ろうとする。
これだけ聞くと真面目なサスペンスに思えるのだが、真相は「宇宙人の陰謀」というどっちらけで、宇宙人による実験が行われていたのだ。この世界では宇宙人の陰謀に気づいたものは「飛ばされる」。空のかなたにすごい勢いでぶっ飛んでいくのを見たときに「僕らは一体何を見させられているんだ?」という気にさせられた。
真面目なサスペンスなんだと思って見に行った観客の多くは「金返せ!」と叫んだが、一部の人たちはこのおかしさにハマって抜け出せなくなった。カルト化したのである。同時期に同じようなテーマで公開された『フライトプラン』はただのズッコケだが、こちらがカルト化したのはやはり「ぶっ飛んでいく」シーンがあったからだろう。
9位殺人の告白
韓国映画の底力
時効になった連続殺人事件の犯人が殺人を贖罪する本を出版。犯人を名乗る男が若いイケメンということもあって一躍時の人となり、彼を支持する人々と裁きを下そうとする被害者遺族ら、世間を二分する騒動になる。
かつて犯人をあと一歩のところで取り逃がした刑事とイケメン犯人はテレビ番組の討論で直接対決。放送中に電話が入る。
「そいつは犯人じゃない。本当の犯人は俺だ」
韓国映画の底力を見せつけられた一本。真相にはのけぞるほど驚いた。一歩間違えればトンデモの可能性もあったがギリギリの綱渡りのように収まった。日本でもリメイクされたが見なかったことにする。
10位シャレード(1963年)
引用元: Amazon
制作年 | 1963年 |
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上映時間 | 113分 |
監督 | スタンリー・ドーネン |
メインキャスト | ケーリー・グラント(ピーター・ジョシュア)、オードリー・ヘプバーン(レジーナ・ランバート)、ウォルター・マッソー(ハミルトン・バーソロミュー)、ジェームズ・コバーン(テックス・ペンソロー)、ジョージ・ケネディ(ハーマン・スコビー)ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | - |
おシャレード
淀川長治先生が
「おしゃれな映画なので、おシャレード、いうんですね」
と痛快なギャグをかましていたことで知られる、スタンリー・ドーネン監督のヒッチコックオマージュ。
富豪の夫との離婚を決意した妻(オードリー・ヘプバーン)がフランス旅行から帰国すると家からは家財道具一式が消え、夫は何者かに殺されていた。夫は偽名を使っており正体不明の人物であることを知らされる。以後謎の男たちに尾行され「夫が持ち逃げした金を返せ」と迫られるが身に覚えがない。そんな彼女をフランス旅行先出会ったピーター(ケーリー・グラント)が「僕に何かできることがあったら」と助け船を出す。しかしピーターも夫が持ち逃げした金の回収を目論む男達の仲間であった。
ヘプバーンとグラントのカップルによるおしゃれな会話の数々はおシャレードの名に相応しく、年の差(26歳差!)も感じませんね(バカな)。
全編を通しどんでん返しが繰り返される展開は先の展開がまったく読めないのでぜひ気持ちよく騙されてほしい。
あとがき
「どんでん返しのある映画」
であることを忘れることが重要ですのでこのランキングのことも今すぐ忘れてしまいましょう。
ちなみにどんでん返しとは
正反対にひっくり返すこと。話・形勢・立場などが逆転すること。
の意なので結末にすべてがひっくり返る、ことだけがどんでん返しではないそうですよ。
某大ヒット映画の元ネタ
『エイリアン』の原案を手掛けたダン・オバノンとロナルド・シャセットによるゾンビ映画。海岸で女に誘われついていった男が焼き殺されるというハッタリの効いた冒頭で観客の心は鷲掴み。
事件の調査に乗り出した保安官のダンは死んだはずの人間が生きている、という場面に何度も遭遇する。どうやらブードゥー教の魔術で死体を蘇らせる者がいることがわかり、ダンの妻ジャネットにもその疑いがかかる・・・
某大ヒット映画の元ネタというと一発でネタバレしてしまうことでおなじみの、ある意味有名作。目玉に注射を打つ場面などガッツリ恐ろしいシーンもありつつ、すさまじいどんでん返しを楽しむこともできる贅沢な映画。