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戦争映画といえば、皆さん何を想像しますか? 命が簡単に奪われる恐怖や、自分の命を捨ててまで戦争に行った悲劇の若者たち。
今回は、戦争映画の中でも他の作品とは違う「異色な戦争映画」のおすすめランキングにしました。
未見の方はどれもとても面白いのでぜひ観てみてくださいね!
ランキング結果
1位戦場のメリークリスマス(映画)
引用元: Amazon
2位ゆきゆきて、神軍
引用元: Amazon
制作年 | 1987年 |
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上映時間 | 122分 |
監督 | 原一男 |
メインキャスト | 奥崎謙三、奥崎シズミ、崎本倫子 |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | http://docudocu.jp/shingun/ |
戦争に人生を狂わされた男の壮絶すぎる人生
1987年に公開された本作は、ドキュメンタリー映画監督の原一男が奥崎謙三という1人の男を追いかけた作品。「天皇にパチンコを打った男」なんていう過激な文句を掲げ、神軍の旗がたなびくド派手な街宣車に乗って、登場するこの奥崎というおじさんは出てきた瞬間からただ事ではない空気を纏っていてギラギラした目はまるで野獣のよう。
彼はかつて所属していた独立工兵第36連隊で、終戦から23日間もたっていたにも関わらず、2人の若い兵士が上官によって敵前逃亡の罪で処刑されたことを知ります。そして当時の上官たちを一人一人訪ね、時に暴力を振るいながら彼らがしたことを追求していきます。戦争からすでに時も経ち、病気をわずらっていたり、孫がいたり、それぞれの老後を過ごしている彼らのところに嵐のようにやっていく奥崎の姿はまるで<戦争>の化身。
「どうして殺したんだああ!」という絶叫も、どう考えても一線を超えまくって常軌を逸している行動も、「靖国」って言葉を聞いただけで飛びかかっていく姿も、ラストの衝撃には勝てません。奥崎は戦争が産んだ狂気そのものです。
3位兵隊やくざ
戦争映画では珍しい、勝新の痛快戦争活劇!
1965年に公開された超痛快戦争活劇! 戦争映画といえば、悲劇もので号泣必至! みたいなのすごく多いですよね。辛い戦争を語る映画ももちろん必要ですが、この映画はワクワクして笑える作品です。主役は『座頭市』で有名な勝新太郎さんと、田村正和さんの父親でもある田村高廣さん。暴れん坊の勝新とブルジョワ育ちの田村さんが出会い、軍の厳しいルールに縛られ、上下関係でいじめが横行する軍隊に腕っぷしと知恵を合わせてガツンとぶつかって行く姿は痛快で楽しい!
私がお手伝いをしている「別府ブルーバード劇場」に戦争に行ったことのある看板絵師さんがいましたが、絵師さんもまた「戦争の苦しい話はしたくない。面白いこともたくさんあったからそれを話したい」とおっしゃっていました。実話ベースのこの話こそリアリティに飛んでいて、そして2人のコンビも面白い大傑作です。
4位ジョニーは戦場へ行った
引用元: Amazon
制作年 | 1971年 |
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上映時間 | 112分 |
監督 | ダルトン・トランボ |
メインキャスト | ティモシー・ボトムズ(ジョー・ボーナム)、キャシー・フィールズ(カリーン)、ドナルド・サザーランド(キリスト)、チャールズ・マッグロー(マイク)ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | - |
戦争への恐怖は、今も心に残り、消えることがない
自分が中学生の時に観て、今も心に残っている映画がこの「ジョニーは戦場へ行った」です。赤狩りにあった伝説的な脚本家ダルトン・トランボが原作、そして監督を手がけた唯一の映画。反戦への強い思いが込められた作品で、1971年カンヌ映画祭審査員特別賞、日本でも72年度芸術祭大賞を受賞しました。
戦場で両手、両足、耳、眼、口を失い、「生きる物体」として横たわる主人公ジョニーが訴える心の中の苦しみ、怒り、そして悲しみ。初めて観たときの衝撃は今も消えることはなく、私の心の中にずっしりと残っています。
辛くて重い作品ですが、だからこそ感受性の豊かな10代の頃に観ることができて本当に良かったと思っています。ぜひ多くの方に観ていただき、戦争という行為の恐ろしさを今一度考えて欲しい作品です。
5位野火(2014年)
引用元: Amazon
制作年 | 2014年 |
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上映時間 | 87分 |
監督 | 塚本晋也 |
メインキャスト | 塚本晋也(田村一等兵)、リリー・フランキー(安田)、中村達也(伍長)、森優作(永松)ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | http://nobi-movie.com/ |
鬼才・塚本晋也が訴える戦争の恐ろしさ、ぜひ劇場で!
大岡昇平の小説を鬼才・塚本晋也が実写化した戦争映画。第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、1人の日本軍兵士の姿を塚本監督が演じます。監督と主演のほかに、製作、撮影、編集なども自ら担当した本作からは、塚本監督の戦争への並々ならぬ思いが伝わって来ます。
レイテ島で出会う日本兵は、リリー・フランキー、BLANKEY JET CITYの元メンバーである中村達也、オーディションで選ばれた新星・森優作が熱演。「今、この映画を撮らなければならない」という使命感のもと、戦争が生み出す逃げ場のない惨状。かつて平和だった日本で平凡に生きてきた1人の人間が、或る日突然恐ろしい戦場に放り出されここまでの体験をせざるを得なくなるという恐怖を、映画を通して体感させられる作品です。
本作は、様々な劇場で毎年上映されているので、もしも機会があればぜひ真っ暗な劇場で、爆音にさらされながら観て欲しいです。
あとがき
どの作品もめちゃくちゃ濃くて、面白いので、お時間ある時にちょっと挑戦してみてください!
デヴィッド・ボウイと坂本龍一、超有名ミュージシャン同士の視線の絡み合い!
テーマソングはとても有名ですが未見の方が意外に多いこちらの作品。大島渚監督が1983年に発表した映画『戦場のメリークリスマス』。私は18歳のときに初めてこの作品を観たのですが、これまで自分が観てきた戦争映画との違いに「なんだこの映画は!」と大ショックを受けたのを覚えています。
舞台は第二次世界大戦中のジャワにある日本軍の捕虜収容所。人間の暴力や欲望が渦巻く極限状態の中で浮かび上がっていく心の闇と、人間同士の絆を描いています。ドギツめなメイクで登場する教授こと坂本龍一のインパクトは強烈で、デヴィッド・ボウイが演じる捕虜との同性愛を感じさせる描写には超ドキドキ! 狂気的な目が印象的な芝居を見せたビートたけしや、内田裕也やジョニー大倉、三上博史など意外な有名人が出演しているのも楽しめるポイントです!