1分でわかる「瀬戸内寂聴」
瀬戸内寂聴の最後の長編小説が話題
瀬戸内寂聴は1922年生まれ、徳島県出身。小説家であり天台宗の僧侶でもあります。法話・講演を行うかたわら手掛けた近著で注目は、長い入院生活を終えたときの主人公の心境から始まる自伝的小説「いのち」。瀬戸内寂聴が95歳のときに発売した最後の長編小説で、親交のあった女性作家2人との思い出を中心にとした自らの老いに向き合いながら命を見つめた作品となっています。
瀬戸内寂聴の受賞歴
1956年に処女作「痛い靴」を『文学者』に発表し、同年『女子大生・曲愛玲』で新潮同人雑誌賞を受賞。不倫体験を描いた『夏の終り』で1963年の女流文学賞を受賞し、作家としての地位を確立しました。1992年には一遍上人を描いた『花に問え』で谷崎潤一郎賞を受賞するなど、数々の受賞経歴があります。また『源氏物語』の現代日本語文法訳でも有名です。
人生はこれから!
まだ30代の私ですが自分よりも若い子たちを見ていると、わたしなんて・・・と思ってしまうことが多々ありました。この本を読んで、30代でそんなことを思っていた自分が恥ずかしくなりました!「自分の健康と精神の若さと、可能性に、自ら見切りをつけた時から老いは始まるのです。」この言葉を心に刻んでいます!!!!
にゃんこクラブさん
2位(90点)の評価
老いを恐れないために
この本は、いろいろな雑誌に寄稿したエッセイを再編集したものです。「五十からでも遅くない」というタイトルのように、50歳からの人生をどう生きるか悩む中年女性に向けて描かれています。特に多くの50代の女性が悩むであろう、孤独、愛、健康、慈愛にフォーカスして、仏教の視点から優しく説いています。50代の女性はもちろんですが、年齢を重ねても美しくありたいと感じている女性にもぴったりです。寂聴さんならではの鋭い視点や優しい言葉に励まされ、年を取ったときの心の持ちようや気の張り方を学ぶことができます。私もまだ50代まで遠いとはいえ、いずれやってくる老いや孤独に不安を抱く一人でした。しかし、この本を出版したは92歳で、人生の大先輩の寂聴さんからのアドバイスを聞くいて安心感を得られました。お坊さんなのに説教臭くなくて、読む側に寄り添うような優しい文体で書かれていたのも大きかったと思います。いくつか刺さったフレーズはありますが、書籍の紹介ページにもある「自分の健康と精神の若さと、可能性に、自ら見切りをつけた時から老いは始まるのです。」はとくに心に残りました。年齢を言い訳にして何かをすることを辞めてしまうと、精神が成熟しないまま年を取ることになりそうなので、胸に刻んで生きようと思いました。それから「自由と寂しさを選ぶか安定とごまかしを選ぶか」という言葉も孤独感を飼いならすうえで大切にしたいと思いました。このほかにも良い言葉がたくさん載ってるので、ぜひ読んでみてください。50代の女性でなくてもハッとさせられるワードがきっと見つかるはずです。[続きを読む]
オムライスさん
1位(100点)の評価