この空の花 長岡花火物語の詳細情報
参考価格 | 4,400円(税込) |
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『この空の花 -長岡花火物語』(このそらのはな ながおかはなびものがたり)は、2012年4月7日に公開された大林宣彦監督の日本映画作品。1945年の長岡空襲とその後の長岡花火への流れを描いたセミドキュメンタリー映画である。また大林自身初めて全編デジタル撮影により製作した長編劇映画である。(引用元: Wikipedia)
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感想・評価
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カルト映画ランキングでの感想・評価
言葉のドッヂボールが花火をぶち上げる!
日本を襲った東日本大震災は、世界中に大きな衝撃を与えた。しかし、あの震災の衝撃をアートという形でアーカイブするのは至難の技だ。未だに、あの震災の内面的恐怖を映像化した作品はほとんど現れないのだが、反戦映画を撮っていた大林宣彦が、圧倒的映像の洪水の中に震災で失われた多くの魂を忍ばせた。
老境に差し掛かった、映像の魔術師・大林宣彦は常に新しい映像技法を模索し、本作でデジタル処理に挑戦した。しかしながら、この挑戦は観る者の心を掴んで決して離さないものであった。
『ソーシャル・ネットワーク』が4,5時間に及ぶ物語を、早口で展開することで2時間に収めた。この作品では、会話が成立している。しかしながら、『この空の花 長岡花火物語』は2時間40分決して会話を止めることはない、会話は全て一方通行でまさしく言葉のドッヂボールを観ることとなる。
そこに、謎の一輪車の刺客、過去からやってきた画家・山下清、そしてハリボテのアニメーションでグチャグチャに合成される戦争の記憶と長岡花火の大団円が所狭しと、観客の瞼を一秒たりとも閉じさせまいと迫ってくる。
いくら目紛しい勢いで情報が流れる情報過多社会にいる我々ですら、全てを補足することは不可能である。鑑賞後、観たものは何故か滴る涙に驚く、そしてその正体を探ることで、自分の中の戦争と平和、災害と復興についての考えが定まってくる。2020年代に刀を突きつけられるか非常に怪しい大林宣彦監督渾身の遺言状である。
映画の伝道師
che bunbunさん (男性・30代)
3位(89点)の評価