東京の恋人の詳細情報
制作年 | 2019年 |
---|---|
上映時間 | 81分 |
監督 | 下社敦郎 |
脚本 | 下社敦郎、赤松直明 |
メインキャスト | 森岡龍、川上奈々美、吉岡睦雄、階戸瑠李、木村知貴ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | https://tokyo-modernlovers.com/ |
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感想・評価
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恋愛映画ランキングでの感想・評価
制作年 | 2019年 |
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上映時間 | 81分 |
監督 | 下社敦郎 |
脚本 | 下社敦郎、赤松直明 |
メインキャスト | 森岡龍、川上奈々美、吉岡睦雄、階戸瑠李、木村知貴ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | https://tokyo-modernlovers.com/ |
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青春と恋愛の挽歌
数えるばかりの過去の恋愛を思い出すと、恥ずかしさの方が先立つのですが、『東京の恋人』は過去の恋愛を引きずっている人も、完全消去した人にもオススメしたい青春と恋愛の挽歌が描かれています。
学生の頃は東京で映画監督を目指していた立夫(森岡龍)は、今はもう夢をあきらめて妻の実家の生業を手伝っています。学生時代の元カノ満里奈(川上奈々美)から久々に連絡が来たことから東京で再会し、つかの間の恋人気分でバカンスに――。心地よい夏の風が吹き抜ける東京から彼女の運転する車で海へと向かい、やがて互いに身体を求めあいながらも直ぐに訪れる別れが青春の本当の終わりを実感させることになります。
ありがちと言えばありがちなストーリーですが、いつまでも観ていたいと思わずにはいられないほど、元カップルが過ごす穏やかな時間に浸っていたくなります。それだけに後半に行くにしたがって寂しさを感じずにはいられません。
川上奈々美の力を抜いた存在感が実に魅力的です。この映画を観ると、男女を問わず彼女が好きになってしまうと断言してもいいでしょう。セックスシーンでは、彼女はそっちのプロでもありますから、フツーの映画よりも激しいものになっていますが、〈AVと映画〉の重なり合う部分と違いを熟知し、俳優としての才能も兼ね備えた彼女にしかできない絶妙のバランスで“愛欲”を表現しています。
そして、この映画では東京60WATTSの音楽が印象深く響きます。喪服を着た川上奈々美が屋上の長椅子に横たわるシーンで流れる『ふわふわ』、海へ向かう車の中でかかる『外は寒いから』。何年か経ってこの映画の記憶が薄れたとしても、この曲を聴けば幾つかの忘れがたい場面が甦ってくるのではないでしょうか。映画と音楽が一体化する幸福を味わうことができる1本です。
映画評論家
吉田 伊知郎さん (男性・40代)
3位(75点)の評価