本屋大賞を2度受賞するなど多くの名作を世に送り出している恩田陸。デビュー作はファンタジー調の強い作品でしたが、SF・推理・ホラーなどジャンルにとらわれず幅広く作品を制作しています。今回はそんな『恩田陸作品』のおすすめランキングを皆さんの人気投票により決定!冬休みの男子校寮で突如始まった告白ゲームを描いた『ネバーランド』や、歩行祭をきっかけに動き出す恋愛模様の『夜のピクニック』、4人のピアニストが織りなす挑戦と成長の物語を描く『蜜蜂と遠雷』など代表作は何位にランクインするのか!あなたがおすすめする作品は?
最終更新日: 2020/08/21
このお題は投票により総合ランキングが決定
1964年生まれの作家「恩田陸」。1992年に『六番目の小夜子』でデビューします。ちなみにこの作品は2000年にドラマ化されました。そして2005年、代表作の淡い青春小説『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞を受賞します。その後、推理小説『ユージニア』で日本推理作家協会賞を受賞。同じくミステリー作品の『中庭の出来事』では山本周五郎賞を受賞します。他にも多くのファンを持つ『ドミノ』や男子校を舞台にしたミステリー風の青春小説『ネバーランド』、短編集『私と踊って』などを発表。ホラー・SF・ミステリーなど多岐にわたる分野にチャレンジし、その才能を遺憾なく発揮しています。近年では2017年に『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞しました。
2017年に発表した『蜜蜂と遠雷』は直木賞と本屋大賞のW受賞で話題になりました。またデビュー作の『夜のピクニック』で本屋大賞を受賞しており、『蜜蜂と遠雷』で2度目の受賞。これは史上初の快挙でした。
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1位夜のピクニック
2位蜜蜂と遠雷
3位光の帝国 常野物語
4位ネバーランド(小説)
5位六番目の小夜子(小説)
1位夜のピクニック
2位蜜蜂と遠雷
3位光の帝国 常野物語
4位ネバーランド(小説)
5位六番目の小夜子(小説)
条件による絞り込み:なし
耳の奥で誰かが叫んでる
言わずもなが、第156回直木賞受賞作品。
序盤で、一気に世界に引き込まれる。両手を耳に当てて山へ沈む強く長くさしてゆく太陽をかいでいる気持ちにさせられる。
中盤ではあふれ出る情報に、音に、とても気持ちが悪くなる。
自分がピアノをやっていて、コンテストに憧れがあったのもあるが、音楽を奏でる中での静寂や、鮮やかさ、熱さと冷たさ、匂いまでもが再現される。
激動があって泣いてしまうわけではない。ただ読了後にはなぜか達成感と、新たな目標がたっている。
ピアノの音色が聞こえてくる
読んでいて本当にピアノを聞いているような気持ちになりました。1人1人の登場人物(ピアニスト)がとても個性的で、実在していたら絶対に聞きにいきたいと思いました。コンテストの結果はどうなるのか、ページをめくるのが楽しみでした。
圧倒的なピアノ演奏描写
本屋大賞と直木賞を同時受賞した名作です。最近映画化されて話題になりました。多彩な心理描写はもちろん、表現力豊かなピアノ演奏描写は実際に音楽がきこえてきそうなほどで、予想のできない展開にもずっとドキドキしながら読むことができました。
不思議なファンタジー
不思議な力を持ちながら、世を忍んで生きる常野一族の人々の物語。根っこの部分は何も明かされないまま、ただ常野の人々の日常?が語られます。でも不思議と不満が募ることもなく、そういう人たちもこの世界のどこかにいるのだろうと思いを馳せます。
独特の不穏な空気感
不思議な能力を持つ常野一族について書いた短編集。一話読むごとに全貌が明らかになっていくのがとても面白かったです。最終話の最後は少し感動する終わり方でした。一族について大きく広げた風呂敷をあまり畳まずに終わったことに作者からのメッセージを感じました。
少年4人が過ごすひと冬の青春
男子高校生4人が学校の寮で冬休みを過ごすお話です。
鍋を囲んだり、隠れてお酒を飲んだり、誰にも言えない秘密を打ち明けたり、4人で過ごす何気ない日常がノスタルジックでたまりません。
思春期の葛藤や青春というものをぎゅっと詰め込んだような作品です。
心が若返る名作
寮制の男子校が舞台のこの話。
私自身寮制の学校に通っていた頃に初めて読みました。この本のように帰省せずに寮に残ったことはないですが、描写がリアルですね。
まさに寮生活はこんな感じです。
大人になって読むととても懐かしかったです。
爽やかな読後感
それぞれ闇を抱えた高校生たちが大人になる過程を描いた小説です。生硬な少年たちが成長する姿がとてもまぶしく感じました。とても爽やかな読後感で、話はここで終わっても、彼らの人生は続いていくということを想像できるのが楽しかったです。
葛藤と成長と。
冬休みに帰省せずに寮に残った4人が繰り広げる心理ドラマ。少年が青年へと変わるその一瞬を切り取った一冊。気づけば泣いてました。学生さんはもちろん青春時代を忘れそうな忙しい大人にも読んでほしい。
思春期特有
これもまた不思議な小説。NHKでドラマ化もされており、そちらのほうが有名かも。思春期特有の、はっきりした根拠は何も無いのに、なぜかみんなそれを何となく信じている。というよくある現象に設定を付け加えることで、よりリアルな物語として動き出す。誰にでもできることではない高度なことをデビュー作でやっているという。
ホラーと青春の絶妙な混ざり具合
恩田陸さんのデビュー作です。青春の物語の中に上手くホラーが入れ込む手腕に感嘆しました。昼は青春で夜はホラーというギャップにおおはまりし、はらはらしながら読み進めたのを覚えています。恩田陸さんの起源を知るという意味でも読むべき一冊です。
高校生の悩みと衝突
ドラマを見て原作であるこの作品に出会いました。学校の七不思議のような怪しい話を、見事にミステリーとして成立させていて面白い。それぞれの課題に取り組んでいくのですが、先を越されたり上手くいかなかったりの緊張感がたまらない。また、自分に自信を持てない生徒たちが奔走するので、高校生らしい悩みやぶつかり合いがまぶしくかんじます。ドラマ版は少し設定が違いますが、出演者が豪華なので一度見ることをおすすめします。
驚嘆のデビュー作
とてもデビュー作とは信じられないほど、ミステリー要素の完成度の高い作品です。タイトルもさることながら、謎が謎を呼ぶ展開に息つく暇もないほど一気に読ませます。物語の面白さからドラマ化もされた、恩田陸代表作の一つです。
夢の実現
この作品については、内容というよりも会話だけですべてが構成されていることに注目します。小説を読み始めた頃に、説明文や比喩を読むのに苦労し、いらないのではないかと思っていました。会話だけなら読みやすく本が厚くても買うことに躊躇しないと考えていたのです。その読者の都合の良い夢を、この作品が実現してくれいます。
小説じゃない小説
題のとおりに質問と回答のみで話が進んでゆく。
2位に選んだ「ユージニア」も同じようなインタビュー形式で書かれているが、あちらはインタビュアーの目線で書かれていて、こちらは完全に第三者、それこそ、空気が聞いているものだけが羅列されている。
これぞ、恩田陸節というのか。ぜひ、構成を気にせず読んで欲しい。
テロか?陰謀か?事件か?それとも…?
題名通り対話形式で進む本作。あの日あの大型商業施設で何が起きたのか。それぞれの証言のみで読者に伝えられる事実の断片。不安定な現代にこそ読んでほしい一風変わったミステリ。
全寮制の学園で起こるミステリーが怪しくも切ない
全寮制の学園を舞台に主人公の少女が謎に巻き込まれていくミステリ小説です。
学園の怪しい雰囲気、学生生活特有の喜びと感傷、どこかノスタルジーな世界観に読者は飲み込まれます。
登場する少年少女たちが皆魅力的で、こんな学校で青春を送りたいと憧れてしまいます。何度も読み返したくなる作品です。
登場人物たちの交錯がみどころ
恩田陸の作品は、実在の物事から着想を得たようなものが多いんですが、ドミノは毛色が違いました。
登場人物たちがそれぞれ隠れた思惑を持っていて、濃厚な人間ドラマが展開されています。
世界は一つ。日常はドミノだ。
登場人物がめちゃくちゃ多いのに全員のキャラがしっかり立ってます。大声で笑ってしまうこともたびたび。一人一人の行動が重なり運命のドミノ倒しがはじまって、やがて一つの事件へ。
はらはらドキドキの展開
色んな登場人物が出てきて、それぞれ色々な問題をかかえており、読んでいてはらはらドキドキしました。少しありえない展開だなと思う場面もありましたが、最後にはすべてつながってスッキリとしました。爽快感を味わえる作品でもあります。
恩田陸の代表シリーズの始まりの一冊
不思議な学園で美少年美少女たちによって繰り広げられるミステリー。恩田作品の魅力全開です。他に長編2冊短編2冊でているので注意!こちらから読み進めてください。
息づかいが聞こえてくる
登場人物たちの息づかいが感じられるような作品でぐいぐいと心を引きつけられました。演劇のシーンの書き方はさすが恩田陸さんで、実際に演劇を見ているようでした。色んな人物の目線から書かれていて、特にオーディションのシーンはこちらが緊張してしまうほどでした。
夢を見ている
朝方に見る夢のような、妙に現実味のある、しかし妙につじつまが合わない作品だった。実際にはつじつまが合わず、小説として破たんしているのではない。ふとした時に違和感を感じて、あれは夢だったと知るそのつじつまの合わなさが、大変綺麗に書かれている。
これは2度3度読むことで面白さが深まってゆく。それこそ、目の見えなかった人が日常の些細な動作に気が付くように。
ゾッとするミステリー
ほのぼの系の物語から、本作のようなゾッとするミステリーまで、幅広い趣向のストーリーを見事に展開できるのが恩田陸の魅力です。物語の導入部分での衝撃的な出来事から結末まで、ハラハラし通し間違いなしの作品です。
死者に会える島で起こる殺人事件
舞台は死者に会えるという島です。
特殊な設定ですが、きちんと設定を活かしてミステリーとして成り立っています。
またその島はイギリス文化と日本文化が融合した不思議な文化体系を持っていて、そこに至った経緯もしっかり設定があり、物語に歴史を感じることができます。
文化人類学や風俗文化史が好きな人にとってもたまらないと思います。
ミステリーなのかファンタジーなのかホラーなのか分類が難しいところですが、この不思議な雰囲気をぜひ味わってほしいです。
女の恐ろしさ
いずれも個性が強烈な物書きの女性たちがレトロな洋館に集い飲み食いしては創作の裏話を好き放題に語る。ミステリー要素もあるが、それよりも物書きの業に呪われた女たちの恐ろしさや凄まじさが印象的。
木守り男
「不連続の世界」より木守り男
子供のころに不安になった、明かりを落とした部屋の隅の暗闇に似ている。
暗闇に目が慣れてなんとなく見えるようになっているにもかかわらず、部屋の隅はどうしても見えないという恐怖。
同じ単行本にある作品の中で最も非現実的な作品かと思うが、やっぱり怖いものは怖いのだ。
しかしどうしても見えない暗闇が興味をかりたたせる。
たった1日の話
たった1日の話とは思えないほどの深い描写のある作品です。たった1日が一冊の本になっているのもびっくりです。2人の主人公、ヒロとはアキ。2人のそれぞれの目線から物語が展開されていきます。2人の間にどのような感情があるのか、また、色々な問題も潜んでいて、なんだか心に残る作品でした。
青春小説
何かあるようで何もなく、でもやっぱり何か起きている(た)。という不思議な感触は恩田陸の得意とするところであり、それがこの真夜中に黙々とただ歩くだけという高校の恒例イベントにも象徴されているように思います。
ほとんどの人にとっての青春というものも、きっとそんな感じだろう。
心理描写の緻密さ
発売から15年ほどたった今でも読み継がれる名作です。多感な時期にある高校生達の心理の機微が美しく描かれていました。誰しも共感して読める部分があるのは間違いありません。私は複雑な家庭環境にある主人公達に感情移入してしまいました。
ただ歩くだけで人の本質が見えてくる
歩行祭という丸一日をかけて歩き続ける学校行事が舞台です。ある問題があって距離をとっている2人が、色々な出来事が起きる一日の中で互いを理解していく話です。歩き続けることで、疲れから誤魔化しができなくなって本音がこぼれてしまうのが面白い。そして、2人のことを心配し寄り添う友人たちの温かさにも注目してください。
心を引きつけられる作品
恋愛ものでもミステリーでもない作品なのですが、なぜか心を引きつけられ、夢中でページをめくっていました。高校の歩行祭が舞台となっている作品で、青春時代の甘酸っぱいかんじも伝わってきます。自分も歩行祭に参加したくなりました。
青春ノベル
高校3年生が行う、夜の80キロウォーク。歩く生徒達はそれぞれの想いを抱え、色んなことに考えを巡らせながら歩くことになります。自分と向き合うのに最適のイベント。読者に、高校生の頃の青い日々を懐かしく思い出させてくれます。
恩田陸と言えばこれでしょ!
夜のピクニックは多部未華子主演で映画にもなったし、恩田陸の代表作品ですよね。
読んでてドキドキするような青春感もあるし、人生の中で岐路に立たされた時の少し不安な気持ちとがとても共感できます。
ラストが意外でした。
青春は苦くて甘い。
1年に一度、全校生徒が夜通し歩く不思議なイベント。高校生活最後の大イベントを彼らはきっと一生忘れないだろう。
絶対に呼んでほしい一冊。