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1位永遠の桃花~三生三世~
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純愛が実ればハッピーだけど時に残酷です
ヤン・ミーさんが主演でディリラバさんが姪の役で出演する神仙の世界の話です。ヤン・ミーさん扮する白浅は天真爛漫で義理堅く、成長する中で運命の男性と出会います。自分を裏切る男や好みでない男はあっさり拒否し、一度この人と決めた男はずっと愛し続けるという性格はカッコいいと思います。笑いあり、涙ありで、何度見ても退屈しません。
ただ白浅が「命より大切な恩師」に先日に接したのを見て、師匠は内心自分を愛し待っていてくれたと期待したけど・・。悪い奴がその報いを受けるのはスッキリするけど、深い信頼関係があって心から愛する相手と「縁が無い」皮肉も見どころです。
シュー・カイの現代ドラマも必見です
シュー・カイ君とヤン・ミーさんの成り行き夫婦がお互いを理解していく現代ドラマですが、愛があって最後まで楽しめました。私は最近ヤン・ミーさんにすっかりハマりました。続けて「斛珠夫人」「谢谢你医生」も見ましたが、今一番旬のアラフォー女優だと思いました。
シュー君はやはり短髪がいいので「烈火士官学校」も好きです(日本人が悪役過ぎる話なのは残念ですが)。これまで「カッコいい」「アクションも出来て好きな彼女を守るヒーロー」キャラでしたが、今回年上の彼女を愛し元カリスマ証券マンでもある主夫役で、長台詞や家事にチャレンジしました。数々の職業女性を演じた経験があるヤンミーさんの相手役になった事で、役者の幅を広げたんじゃないかと思います。ただシュー君の若いファンには嫉妬されたかも。
「尚食」のシュー君はカッコ良かったけど、2人共演の場面で夫婦愛が感じられなくて物足りなさを感じたのですが、今回は夫婦の愛情と元カリスマ証券マンと、細かい感情表現が良かったと思います。年下の「可愛さ」と頼りがいのある「ハンサム君」が共存していて良かったです。
3位瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~
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『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』(えいらく しきんじょうにもゆるぎゃくしゅうのおうひ、延禧攻略、Story of Yanxi Palace)は、2018年に放映されたテレビドラマ。
いい点はテンポの良さ、主人公が努力家・・
このドラマを史実と比べてるとかなり乖離してるんだけど、何が良かったのか考えてみました。まずエイラクが仕掛ける時のセリフや動きのスピード感はいいですね。それから乾隆帝が「名君になりたい」と政務に情熱を持っていて、富察傅恒は軍人として、エイラクは不遇の時も写経など努力を怠らない人物として描かれています。
もう1点、私は従来清朝の辮髪が嫌いでしたが、エイラクに登場する男たちは格好いいのは何故だろうと思ったら、頭髪の剃ってる部分が多いんですね。つまり正面から見て丸坊主に見えるから髪型に違和感が無いんです。
ヤン・ミーさんが男装の軍人役は最高です
冒頭で人魚が出てきて、真珠夫人というタイトルからも、現実離れしたファンタジーや、真珠のアクセサリーが好きな女性をイメージしましたが、全く違いました。私はヤン・ミーさんの現代ドラマにハマって時代劇も見ようと決めたのですが、架空の話でファンタジー要素もあるけど、古代の軍人として戦い、戦略やスパイ捜索もします。使命感を持った女戦士姿がカッコよく、一方で若き師匠を慕ってるけど・・切ないドラマです。理想的な人生って、必ずしも愛する人と生涯傍にいる事ではなく、愛する人を信じ使命感を達成できる「後悔の無い人生」も一つの幸せの形なのでしょう。
ヤン・ミーさんはドラマで男装の軍人として登場します。ドレス姿も勿論美しいですが、ボーイッシュで自立した役柄の方がもっと素敵です。
ドラマでは乗馬や弓が出てきてサマになってるなあと思ったのですが、先日彼女の初主演作品「王昭君」を見て納得しました。撮影時弱冠19~20歳の作品で、勅命で漢から匈奴に輿入れした王昭君を演じました。内蒙古ロケでは乗馬と弓も扱っていました。他にも20歳代前半の頃、紀元前が舞台のドラマ「大秦直道」「虎符传奇」などに出演した経験も彼女の時代劇の感性に影響しているのでしょう。
ヤン・ミーさんの職業女性ドラマはいいです
楊冪さんは事務所独立・結婚・出産を経験した30歳頃から、現代ドラマ、特にキャリア女性が主人公のドラマに多く出演していてどれも素敵です。映画ではコメディーから障害者役まで演じる事への意欲が感じられます。「若見えだけど仕事に対する責任感があって、芯がしっかりしてる」ヒロインはどの作品でも印象的です。このドラマは中国のフランス語通訳の専門機関が舞台で、楊冪さんが出産翌年の主役復帰第1作で、一部声優の助っ人はありそうだったけど、ご自身も仏語はかなり練習したと思います。スイスなどの海外ロケも出てきます。
多くの女優さんが結婚・出産後は脇役や中年役に転向するのですが、彼女の場合は一層ドラマの主役が増えた上、自分は若いままで相手役の年齢が段々若くなってるようです。やはりこの翻訳官の成功が契機となったと思います。
多分最も時代設定が古いドラマでは?
まず紀元前4~3世紀の秦の始皇帝の高祖母が主人公という事で、中国ドラマの中では時代設定が一番古いんじゃないかと思います。スン・リーさんが確かにいい女優さんですね。また異母姉役のリウ・タオさんとの関係性も大変良かったです。
但し私がスン・リーさんをベスト3に入れない理由は①長編過ぎてみるのに勇気がいる、②歴史上実際にいた人物がモデルになってるけど、史実と大幅に乖離してるためです。
コメディー要素満載の時代劇ドラマです
中国ドラマは往々にして長編で陰湿な人も多く登場するのですが、「花令嬢・・」は古い時代を舞台にした新感覚中国ドラマと言えると思います。気分が沈みがちな時に見て「正義は勝つ!」でスッキリできるドラマで、私は3回以上見ました。
4位筑夢情縁
ヤン・ミー&ウォレス・フォが20世紀初期を舞台に共演
ヤン・ミーさんは今回のドラマでは20世紀初頭の女性建築士役で、当時珍しかった女性で大卒のお嬢様建築士が逆境に負けず、執拗な陰謀や汚職、復讐が繰り返される建築業界で一流に成長していく話です。
相手役のウォレス・フォさんは前年「如懿伝」の乾隆帝役が話題になりました。イメージもガラッと変わって良かったけど、名前の序列ではウォレス・フォさんの方がヤン・ミーさんより上だったけど、結果的にはヤン・ミーさん演じる傅函君が主人公になったようです。この作品の後、間もなくフォさんは俳優を休業して主夫してるとか。
以前英語字幕版を見た時、主役まで声優の吹替になっていて口パクや声のズレが多くムードが台無しでした。ストーリーが重厚でいい作品になるはずが、残念でした。最近改めてみたら、吹替部分がかなり除去されて本人の声になってたのは良かったけど、一部音が消えたりしていました。編集がちゃんとしていたら、主演女優賞を受賞していたはずだと惜しまれます。
また子役から引継いで初登場するのは6話途中からなので、それまでが長く感じました。主役の2人が登場する前に飽きて見るのを止めた視聴者もいたでしょう。
4位楽游原
シュー・カイとジン・ティエンの武将時代劇です
シュー・カイ君の時代劇アクションとロマンスは毎回カッコいいのですが、今回の作品では部下を束ねる武将の雰囲気も板についてきたと思いました。またヒロインとの関係もライバルで恋人から、ドラマ終盤で夫婦、家族へと発展するのですが、もう大人なんだなあと思いました。このドラマは史実ではありませんが比較的現実感のある時代劇です。
ジン・ティエンさんも久しぶりにアクション満載の時代劇で女将軍を演じています。シュー君より7歳年上ですが、年齢差を感じさせない若見えです。
4位哈爾浜一九四四
ヤン・ミー&チン・ハオ主演の満州国秘密警察のドラマです
大戦末期のハルビンで、ヤン・ミーさん演じる関雪は、戦時中の満州国秘密警察の科長としてスパイ拷問など聡明だけど残忍な仕事をします。
満州国は日本の傀儡政権といわれ、清朝元皇帝の政権で日本人優遇の一方、共産党スパイ(中国は戦後共産党政権になるけどこの時点では反政府テロリスト)を掃討。中国本土の国民党政権も、満州国から見たらスパイ組織の1つ。反日ゲリラ集団も活動。更にハルビンはソ連と鉄道で繋がっている都市で、時折ロシア語表記やロシア正教会も出てきます。
現代の中国人聴衆から見たら反政府スパイが正義の味方で満州政府は悪者ですが、その悪者ヒロインと共産党スパイの話です。
ヤン・ミーさん演じる関雪は満州貴族の末裔なのに、こんな残虐な女になったのには過去が影響しています。秘密警察のガラの悪い男どもの責任者として、穏やかに話す時と激高する時のギャップが凄いです。ヤン・ミーさんの印象が強いおかげで、共産党愛国ドラマとは全く違った印象を与えています。
相手役のチン・ハオさんは反政府活動をする双子を演じ分けています。更に浩歌さんは国家に忠実で有能な日本軍司令官だけど裏で残虐作戦を関与する役です。
但し史実では日本軍は満州を守る側だったので、中国人各諜報組織より残虐だった事実はありません。満州は元々山賊が多く、それを摘発する警察権力も荒っぽかったとは思います。日本軍の通称731部隊が存在し、満州で本来の医学や検疫以外に細菌兵器を開発しようとしたそうですが、ドラマ内の爆弾実験や民間人の死体の山は、日本軍が残虐に見せる印象操作です。
またドラマには登場しませんが、戦後満州はソ連支配下におかれ、日本軍兵士数十万人はシベリアに連行され最大11年間強制労働されたのです。満州一の名門、哈爾浜工業大学も、戦中は日本語、戦後5年間はロシア語で講義をしたそうです。関雪が終戦時日本に行っていたら刑務所より過酷な日々になっていたでしょう。
ドラマだから事実に反する脚色もありますが、戦争を知らない現代の日本人に、当時の満州の複雑さやテロの残虐さを見て感じて欲しいと思える衝撃的な作品です。戦時中の荒んだ社会が、往々にして政治理念とは無関係の私怨や身内の犯罪隠ぺいも巻き込むのです。
4位慶余年
続編は3シーズン目に続きます
未来の知識を持った范閑が古代の貴族の私生児として育ち、武術と毒薬の知識を持ち、様々な政治改革をする万能な男の物語です。2019年のシーズン1放送後、5年を経た2014年にシーズン2が放送されました。でもストーリーは完結してないので、シーズン3も近い将来放送されるでしょう。国の中枢にいる皇帝、監察院院長らが范閑の保護者のような存在で、聡明で時に残酷でもあり、范閑の改革を陰で支援したり圧力をかけたりしているので、事件の真相が思わぬ方向に行ったりする不思議な時代劇ドラマです。
4位墨雨雲間
呉謹言さんは復讐する激しい女がいいです
復讐の為に紫禁城の宮女になったエイラクの役でで大ヒットした呉謹言さんですが、ロマンチックな役はムード不足という印象があったのですが、今回の作品では強さと愛情のバランスが良くなってると感じました。
乗馬や弓も以前は全く出来なさそうでしたが、今回は一瞬だけど撮影シーンがありました。
人気があるのも納得です
ドラマ「琅琊榜」は中国ドラマのランキング上位に入っていて気になってはいたけど、ドラマ紹介記事などが余りピンとこなくて今まで視聴していませんでした。でも実際に見てみて人気が高い事に納得しました。最後まで結ばれない役柄だったけど、フー・ゴーさんとリウ・タオさんのコンビは素敵でした。女っ気のない病弱な政治参謀の役だけど、心の中では昔の許嫁を一途に愛してるという部分が、聴衆の共感に繋がってると思いました。
梅長蘇こと林殊は、病弱ながら元武将の凛とした品格を持ち、雄弁に政治や戦略を語るという、難しい役柄でしたが、とても魅力的に演じています。フー・ゴーさんは「長身でイケメンでアクションもこなす」俳優として中国本土の大スターのようですね。近年40歳を超えて結婚し、新たな活躍もしているようですね。
私はこれを時代劇ベスト5に挙げます
リー・イートンさん扮する傅柔とシュー・カイ君扮する盛楚慕の恋愛と、唐の時代の宮廷が出てくる話です。このドラマは余りランクインしていないのですが、私の基準では大好きな中国ドラマの1つです。
見どころ:
1.シュー・カイ君扮する名家の最低バカ息子が好きな女の子に出会って奮起するのですが、序盤のおバカぶりが愛嬌があっていいです。「エイラク」の富察傅恒の紳士ぶりとはまた違った魅力です。
2.リー・イートンさんが仕事が出来て聡明な刺繡職人・宮廷女官を演じます。ほかにも「剣王朝」「鶴唳華亭」は好きな時代ものです。
3.唐の時代設定で、近年の中国ドラマに多い「現実離れした豪華すぎる建物や衣装」や「現実離れした特撮ジャンプ」を最小限にして、大昔の宮廷絵画に出てくるような衣装がよく登場します。
ストーリーは7世紀唐の太宗と皇后の治世をイメージしたようです。余談ですが、史実では先帝高祖と隋の煬帝は母方の従妹で年齢も近い上、煬帝の娘が太宗の側室で三男の生母です。子供の頃煬帝は暴君だと習ったけど、実は高祖は隋の朝廷の高官で煬帝とも幼馴染だった可能性が高く、煬帝が暗君だから隋が滅ぼされたという話も懐疑的です。また太宗も兄と弟を暗殺し父を譲位させて即位した残忍なイメージがありましたが、実際は煬帝の治世に弱冠20歳で右元帥となり、唐建国の本当の立役者は父高祖ではなく太宗だったのかもしれません。
ドラマの皇帝は太宗のイメージですが、名君として描かれています。
ドラマもグリナザさんもウイグル繋がりのドラマです
原題「风起西州」は、唐の時代を舞台にしたドラマで、シーズン1,2が公開されました。シーズン1は長安で武則天がまだ側室だった時代がを舞台に、母が非業の死を遂げた後、琉璃は男子として養父に育てられ、後に宮廷の刺繍名人となり、愛する人にも出会う話です。シーズン2は結婚後から始まり、舞台は西州、現在のウイグル自治区ウルムチ郊外に夫が左遷されて官僚の妻兼商人として活躍します。
ヒロインのグリナザさんはウイグル出身のエキゾチックな美人です。これはぜひ見て欲しいドラマです。
6位灼灼風流
ジン・ティエンさんとウイリアム・フォンさんの時代劇です
ジン・ティエンさん(35)とウイリアム・フォンさん(45)が、2023年放送のこのドラマでコンビを組みました。ウイリアム・フォンさんは2018年『明蘭〜才媛の春』などが有名です。ジン・ティエンさんは2023年『楽游原』で年下のシュー・カイ君と共演しています。声が吹き替えなのが惜しいけど。
フォンさんこと皇弟劉衍と、ジンさんこと訳アリ女医で女性官僚になる慕灼華の物語です。結婚は、皇族のしがらみや女性官僚には困難だけど、他の誰とも結婚せずお互いを大切にして、数々の苦難を乗り越えます。完全に架空の物語ですが、政治的陰謀がよく描かれたドラマです。
6位長風渡
ソン・イーさん主演のファンタジー時代劇です
慶余年で范閑の妹范若若役として、聡明できっぱり前向きな貴族令嬢として脚光を浴びたソン・イーさんが、最近いい作品に出演しています。特に「長風渡」では相手役のバイ・ジンティンとの雰囲気も良かったです。
ヒロイン柳玉茹は商家の嫡女だったものの実家での不遇な生活を抜け出したくて努力し、とうとう名家との縁談が内定したと喜んだ瞬間、富裕商家の怠け者息子顧九思と結婚させられてしまうのです。それでも玉茹は持ち前の商才と舅姑の加護を得て顧家の女主人となり、それまで武術には長けていても勉強しなかった夫九思を叱咤激励し、夫が勤勉で民を大事にする政治家へと成長する姿を支えるのです。玉茹は国一番の豪商となり、稼いだ資産を夫が務める政府の防衛費などに寄付し夫婦二人三脚で国の為に貢献する物語です。
7位安楽伝
ディリラバさんの作品で一番好きです
ディリラバさんはヤン・ミーさんと何度か共演してますね。でも2023年ヤン・ミーさんが事務所を離れてしまい、ディリラバさんが看板女優になったようです。これまで彼女の作品の中では「長歌行」がいいと思ってましたが、この作品はそれ以上です。何と言っても漫才のような会話のテンポの良さがいいです。
それから新星俳優、劉宇寧君が2021年のこのドラマで準主役級で出演していますが、2023年「安楽伝」でもディリラバさんと共演、「一念関山」ではリウ・シーシーさんと共演、「楽游原」(シュー・カイ、ジン・ティエン主演)にも準主役で登場しています。何より、出演ドラマの挿入歌も歌っている歌手で、身長189cmの長身のイケメンです。2024年公開ドラマも多数主演してるようです。
ルビー・リンさん主演+プロデュース作品です
前漢が王莽に簒奪された後の時代を舞台に、劉秀(袁弘)が後漢初代皇帝、陰麗華(ルビーリン)が皇后になる話です。撮影は2013年、放送は2016年でした。ルビーリンさんが主演とプロデューサー両方を担当した作品です。
中国の時代劇は往々にしてストーリーが史実と大幅に乖離しているのですが、この作品は史実をかなり反映させています。歴史ドラマとして、戦時下の軍規徹底、苦しい時に受けた恩を生涯忘れない、怒りで敵を徹底的に殺すのではなく我慢して味方を増やし政府を組織する、自我を自制し朝廷の権力争いを避けるなど丁寧に描かれています。
史実では、劉秀と陰麗華は同じ町出身の10歳差で、どちらも文武両刀の名家だけど父親が早逝した家庭で育ちました。劉秀は挙兵して軍功を挙げ、28歳で初恋の麗華を娶るまで農夫で独身だったそうです。
また麗華はドラマのような武闘派ではないけど、戦地に同行し軍事の助言や後方支援する活動的な才媛で、戦闘に疲れた夫を労わる従順な女性でもあったようです。
しかし結婚翌年に劉秀は河北の劉王家の娘と政略結婚し、息子をもうけ皇后の座も譲ってしまうのです。劉秀も前漢の劉氏末裔とはいえ傍系だったので、漢王朝再興の大義や河北掌握の為には嫡流に近い劉王家の姪である郭氏との縁談は不可欠だったのです。
それでも麗華は劉秀との愛を貫き、皇子5人皇女4人を産み、18年後河北劉家が王から侯爵に降格させられ、息子たちが王位を継承し、郭氏を廃后・離縁し、陰一族が侯爵に奉ぜられて、遂に麗華が継皇后に即位したのです。皇太子の郭氏長男も降格を願い出、陰氏4男が次の皇帝に即位しました。
麗華は相思相愛でありながら長年側室に甘んじた不遇の女性でしたが、中国の歴代皇帝でこれだけ側室が少ない皇帝は稀有です。宮廷ドラマでは嫉妬が定番ですが、戦争で死が身近な人生では「愛する人が生きていてくれるなら大抵の事は我慢できる」「国家平定の夢を夫と一緒にかなえる」と覚悟したから、長い戦争や宮廷の権力闘争にも耐えて夫婦の絆を維持できたのでしょう。
尚、ドラマでは郭皇后と弟は超陰険ですが、実際には伯父劉氏は暗殺され郭皇后も18年後廃后で離縁されるものの、郭皇后も皇子5人と皇女1人をもうけ、弟も陰氏兄弟と同等の出世をしました。劉秀なりに郭氏も誠実に遇したようです。
余談ですが、冒頭で呉謹言さん(2018年エイラクで大ブレーク)が侍女役で少しだけ登場するのですが、その後忘れた頃に再登場します。えっ、何でそうなるの?という役柄です。
独孤伽羅の生涯を描いたドラマとしては私はこちらが好きです
後に隋の文帝となる楊堅とその妻独孤伽羅の話はこの「独孤皇后」と前年の「独孤伽羅」があり、両方ともドラマとしては面白かったですが、史実に比較的近いという点で私はこちらが好きです。楊堅役のチェン・シャオさんも良かったです。
文帝は中国史上有数の名君だったようだし、独孤信の娘のうち3人が北周、隋、唐(諡号)の皇后となった歴史的に興味をそそる家族です。更に後に生まれる則天武后は楊堅の遠縁にあたります。
9位長歌行
ディリラバさんの作品です
私は現実離れしたファンタジーは嫌いで見ないのですが、「長歌行」の主人公は架空の人物ですが、設定は「唐の2代皇帝の娘で伯父のクーデターで家族を失う」女剣士の役です。復讐の為に生きる主人公だけど「国の繁栄の為に」敵討ちを断念する一方で、その他大勢の兵士を斬りまくる側面もあり、軍人の正義とは何かを考えさせられる興味深いドラマでした。
9位月に咲く花の如く
スン・リーさんの存在感は別格ですね
超長編ドラマでも最後まで魅せてくれるスン・リーさんはいいですね。
但しモデルとなった人物は西太后の時代に実在したようですが、実際には捨て子ではなく良家の生まれだけど親が早逝して兄夫婦に育てられた人らしく、また結婚後僅か十日で夫が他界したので、39歳という短い人生で恋仲の男性がいたかどうかは不明です。
スン・リーさんのドラマは史実とは大きく異なるのですが、ドラマが史実であったかのように信じ込む視聴者は多いと思います。
実在人物がモデルとなった歴史ドラマとしておすすめです
10世紀の遼の睿智蕭皇后をモチーフとしたドラマで、ティファニー・タンさんが主演です。漢民族の法や農耕と遊牧民族の騎馬戦の融合の時代で、皇帝が早逝した後、契丹系の蕭皇后が太后として幼い息子の摂政をして軍の指揮まで執った話です。
また漢民族の王朝では後宮の女性は夫の死後殉葬や出家が多いようですが、遊牧系王朝では王室女性が再嫁する事は珍しくなかった点も歴史の勉強になります。
9位宮廷の諍い女
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放送期間 | 2011年~2012年 |
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話数 | 全76話 |
メインキャスト | スン・リー(甄嬛)、ラン・シー(沈眉荘)、タオ・シンラン(安陵容)、ジャン・シン(華妃)、エイダ・チョイ(皇后)、チェン・ジェンビン(雍正帝)ほか |
公式サイト | http://www.bsfuji.tv/isakaime/ |
さすがスン・リーさんです
9位扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~
引用元: Amazon
ヤン・ミーさんのおかげでファンタジーを見直しました
私は現実離れしたファンタジードラマを殆ど避けていたのですが、ヤン・ミーさんの近年のドラマ(弁護士、医師、建築家、捜査官、時代劇の男装将軍)がどれも素晴らしかったので、彼女が演じるファンタジーも見たくなりました。
物語の設定として、武術の猛者なのに何度も背後から不意打ちを受けて失神させられるのは無理があると思いましたが、架空の設定でもヤン・ミーさんが演じると、愛があって何となく現実にありそうな気にさせてしまう所が魅力です。
ただ最後の結末は皆さんが見て考えて欲しいです。正義の為、師匠の命令を遂行する為に苦悩するのですが、最終的に自己犠牲を払って命令を受入れても、本当にそれが国や民衆の為になったのか・・・。
リウ・シーシーさんとウォレス・フォさんの明朝ドラマです
2023年の最近、劉詩詩さんが時代劇に戻ってきたので、2016年のこの作品の事を思い出しました。女性の社会的地位が低かった明の時代の女医と皇帝兄弟のドラマです。
現在30代後半で子持ちの女優さんと言えば、チャオ・リーインさん、ヤン・ミーさん、そしてリウ・シーシーさんですね。この作品では女医という事もあってアクションは殆ど無かったのですが、2023年最新作「一念関山」ではアクション満載ですっかり体育会系です。
ティファニー・タンさんの代表作です
北魏の馮皇太后をモデルとしたドラマですが、史実とはかなり違っています。それでも鮮卑系の王朝を主題にしたドラマで、このドラマをきっかけに中国の歴史が漢民族の王朝ばかりでは無かった事を再認識しました。
ティファニー・タンさんは2020年「燕雲台」の後出産を経て、近現代ドラマに復帰したようですね。
9位紅粉世家
孫麗さんと楊冪さんが姉妹役を演じるお宝映像です
撮影時、孫麗21歳、楊冪17歳という若さで共演したドラマなので、日本語字幕が無くて細かいストーリーは分からないけどやっと発見しました。
ドラマの舞台は20世紀初頭の南京、孫麗演じる李桃枝は歌と舞踊を披露し、楊冪演じる妹小桃はいきなり酔っ払って登場するやんちゃ娘です。2人ともキャラが濃くてチャイナドレスがお似合いです。
この2人は幾つか共通点があります。まず若くして主役を経験し、20代で共演俳優と結婚、出産を経験し、その後間もなく大成功しています。日本の女優さんは結婚、出産後仕事をセーブする傾向があると思いますが、中国ではファンの理解があるのでしょう。孫麗代表作は2012年『宮廷の諍い女』、2015年『ミーユエ 』、2017年『月に咲く花の如く』です。楊冪代表作は2017年『永遠の桃花〜三生三世〜』、2018年『扶揺〜伝説の皇后〜』、2022年『爱的二八定律』です。また2人ともドラマの主題歌を幾つか歌っています。
そんなビッグな2人が若い頃に共演したこの作品はお宝映像なのです。
許嫁になる寸前に父兄を投獄された元令嬢と皇太子の物語です
登場人物は架空ですが、モデルは5世紀南朝斉の皇太子です。ルオ・ジン演じる皇太子蕭定權は文武両刀ながら感傷的で宮廷内の陰謀に涙しながら耐える人です。一方リー・イートン演じる陸文昔は官僚の娘で皇太子の正室に推挙されるも、陰謀で父兄が投獄され縁談は破談に。そこで父兄を救うべく、偽名で東宮に侍女として潜入し、様々な陰謀に遭遇し投獄や拷問にも遭うドラマです。
全60話でもとても緊迫感があっていいドラマでした。ただ感傷的な男が何度も涙するのは一昔前ならもっと共感できたと思うけど近年の感覚ではちょっと女々しいと感じました。2人はドラマ序盤で出会ってすぐ恋におちたのに、顔をベールで隠していたから、偽名で潜入しても皇太子はずっと相手が初恋の人だと気づかずに別の人と結婚したりするのです。
また翌年続編「鶴唳華亭外伝〜別雲間〜」全12話が放送されました。本編で敵対した人が続編では味方になったり、その逆もあり、信じていいのか疑うべきか迷いながら進展します。辛い事が続く中で、少しだけ心が救われる事もあります。
9位謝謝你医生
ヤン・ミーさんの職業女性ドラマはいいです
「謝謝你医生」でヤン・ミーさんが演じる肖硯医師は、美人で外国帰りで手術の指示も的確な女医ですが、笑わずプライベートの話をせず無表情な人です。仕事の指示は長台詞をシャープに喋る一方、セリフも無くリアクションも無いけど背中で聞き耳を立ててるとか、ドラマ後半には微妙に表情が柔らかくなるといった、細やかな演技が印象的です。派手なリアクションが余り無いだけに、演技力が光ってます。
9位顔心記
ソン・イーさん主演のファンタジー時代劇です
ソン・イーさんは慶余年で主演范閑の妹范若若役として、キッパリ前向きで聡明な良家の令嬢役を好演していたので、別の作品も見たいと思い2024年最新作を見つけました。相手役はルオ・ユンシーさんで、元バレエダンサーで現在俳優兼歌手として人気上昇中です。
ドラマは架空の時代が舞台で、各地を旅しながら治療する女医颜南星と主席捜査官の江心白の数奇な物語です。南星には「満月の頃に突然別人の姿に変身してしまう」秘密があり、心白は武術と捜査に秀でた役人ですが、実は至近距離でも相手の顔を認識できず人間関係が苦手という秘密を抱えています。この2人が事件捜査で協力する中で、悲しい過去とも向き合い、信頼と愛情を育んでいく物語です。
それからもう1人、チェン・ヤオさんは江心白の妹役ですが、気が強いけどエレガントで聡明な女性を演じていて良かったです。楊冪さん主演の狐妖小红娘月红篇にも捜査官役で登場しました。
9位歓楽頌
リウ・タオさんの現代ドラマもいいですね
最近見た動画によると、劉濤(リウ・タオ)さんは中国ドラマ再生回数100億回超の作品に少なくとも3作(琅琊榜、ミーユエ、歓楽頌)で好演してると知り、現代ドラマである歓楽頌を見ました。
本ドラマはシーズン1&2をリウ・タオさんらが好演しました。アメリカ暮らしが長かったアンディは、優秀だけど孤児で個人的付合いが苦手なキャリアウーマン。家族探しのため上海勤務となり、高層住宅団地の22階で隣人女4人らに振り回されながら友情と愛情を培うドラマです。当時38歳だったリウさんが31~32歳の役でも違和感のない若さで、スタイルの良さも独特の声や歌唱も、時代劇とはまた違った魅力を見せてくれています。英語の発音もビジネス用語の長台詞も素敵でした。私が気に入った数少ない中国現代劇の1つです。
このドラマで好感を持った点は、トラブルメーカーも複数出てくるけど、基本的に職場の人事や上司が誠実に評価・賞罰を公正に判断し、若い子も努力して成長してる点です。それから一部の家庭で両親が放蕩男児を贔屓して女児に家族の犠牲になる残酷さも表現しています。
因みに近年大ブレイクの楊紫(ヤン・ジー)さんもトラブルメーカーな隣人役で出ています。彼女は時代劇のイメージだけど、この現代劇の撮影時はまだ20歳代前半で若かったですね。
10位与鳳行
楚喬伝がやっと完結した気持ちです
チャオ・リーインさんとケニー・リンさんが主演した楚喬伝は2017年に大ヒットしましたが、ラストシーンが「明らかにシーズン2がある想定」で回収できなかった伏線が幾つも残ったまま盗作疑惑なども発覚して、視聴者としては非常に消化不良な終わり方でした。
今回、この「与鳳行」で主役の2人が「凍った湖/海」「熱・冷体質コンビ」「女司令官」など、楚喬伝を彷彿とさせるシーンも混ぜながら、最後はハッピーエンドになれてホッとしました。
ただ中国ファンタジーアクションで私が嫌いな「動物の縫いぐるみが出過ぎ」「炎や光線の特撮使い過ぎ」とか、準主役級の使い方が中途半端という点は残念でした。
11位楚喬伝~いばらに咲く花~
ここで終わっちゃうの!とこが残念でした。
途中までは満点だったけど、明らかにシーズン2を作る前提の終わり方だったのに、盗作問題などでシーズン2が実現する事はありませんでした。物凄く消化不良な気持ちになりました。結果的にはドラマの伏線が回収出来ない点が幾つもあって、何が正義なのかも分からないまま終わってしまった感じでした。
11位風吹半夏
若い役が多いチャオ・リーインさんがビジネス女性役です
中国は2002年にWTOに加盟し、それに伴って輸出入の規制も国際基準に適合するよう変わっていきましたが、このドラマはその前の過渡期にビジネスで成功した女性の話です。
童顔でアクションやファンタジーが多かったチャオさんですが、このドラマでは社会問題を扱った大人の女性に挑戦しています。2018年の現代ドラマでは実年齢に近いデザイナー役で素敵でしたが、今回はそれより年上の役です。ネット情報で、今後は主演より制作側中心になるという噂も出ていたので、まだ活躍して欲しいという期待も込めて投稿します。
11位後宮の涙
チャオ・リーインさんの出世作です
2013年の作品なので今見ると画像の古さを感じるのですが、北斉時代の皇帝高湛と、後に女性宰相となる商人の娘陸貞の架空の話で、最初にDVDで見た時はとても気に入りました。
11位一念関山
近年急上昇の劉宇寧君と劉詩詩さんが時代劇スパイを演じます
30代後半~40歳前後で活躍する中国の人気女優といえば、ヤン・ミーさん、チャオ・リーインさん、ティファニー・タンさん、スン・リーさん、ジン・ティエンさん、そしてリウ・シーシーさんを思い出します。彼女の最新作がこの「一念関山」ですが、相手役は歌手で俳優としても人気急上昇中のリウ・ユニン君です。彼はドラマのテーマ曲も歌っています。
詩詩さんの作品と言えば2016年「女医明妃伝〜雪の日の誓い〜」の女医役が印象的でしたが、今回アクション満載で伝説の女暗殺者を演じました。声は吹替えだったようですが、ガラッと印象が変わって良かったです。
琅琊榜の次世代編です
琅琊榜の続編ですが、梅長蘇こと林殊が策士として支持した靖王の死後、その養子と実子が高齢になり孫世代が奮闘する話です。
原作者は同じだけど、登場人物も完全に世代交代し全く異なった話になっています。前作では梅長蘇が琅琊榜のトップとして情報を自分でキングメイキングに役立てたのに対して、本作では琅琊榜は人里離れた情報収集機関で、長林王府の無鉄砲な次男萧平旌の修行先として展開します。そして生後間もなく許嫁となった林奚は素性を隠して育てられ、戦場で軍医として萧平旌と出会う所からストーリーが展開します。
養子を実子と分け隔てなく育てた長林王、その信頼に命懸けで応えた長男は早逝し、長林王も病死。萧平旌は将軍として萧平軍を引き継ぎ非凡な戦略で敵軍に大勝するも都の権力争いに翻弄され失脚し、琅琊榜で居候。数年後皇帝の危機に命懸けで救出し、皇帝も唯一信頼できる皇族として慰留するものの、いざという時は駆けつけると約束し、林奚と都を離れて2人で生きる選択をするのです。
前作で林殊は限られた余命を無念に戦死した者たちに報いるために捧げ、許嫁と結ばれませんでした。だから本作では一応結ばれて良かったという感じです。
リウ・タオさんは素敵です
実は最初にこのドラマの1話を視聴した時、誰が主役か分からず全然興味が湧かなかったのですが、劉涛(リウ・タオ)さんの大ヒット作「ミーユエ」「琅や榜」「歓楽頌」を見てから改めて見たら面白いと気づきました。彼女は楊冪さんや趙麗穎さんより10歳近く年上ですが、20歳前~60歳までを好演しています。皇帝役の周渝民(ヴィック・チョウ)さんも素敵です。
ドラマは北宋真宗の皇后、劉太后がモデルで、庶民出身から紆余曲折を経て皇后、皇太后として君臨しました。特に皇室で皇子が次々に早逝し皇太子に恵まれなかったために、劉氏は40歳頃侍女を側室として皇帝に差出し、勅命で不本意ながらその子を奪って実子とし、その功績で皇后に即位したのです。姉妹のように親しかった侍女を裏切った罪悪感や責任の重さは、若い俳優さんでは難しい役柄です。また皇太后が如何に人材評価するかも描写されています。疑心暗鬼の皇宮でどう誠実に接し、官僚の汚職を見つけ処罰し、また信頼すべき官僚をどう見分けるか、それをどう皇帝となった息子に理解させるかといった洞察力のあるドラマです。
中国で多かった長編歴史ラマが2010年代後半から激減し、時代劇の多くがアクションファンタジーになった中で、あえて歴史ドラマを演じたのは希少価値だと思います。
因みにこのドラマは2021年放映でしたが、劉太后を描いたドラマは中国で大人気らしく過去百年間に30作超あるそうです。また2020年には唐嫣がドラマ「燕雲台」で同時代の敵国、遼の蕭皇太后を演じました。この時代、特に遼などは漢人と鮮卑人が朝廷に混在し、遼の蕭太后のように聡明で軍事にも通じた女性もいて、女性の再婚も可能な時代でした。一方、北宋は漢民族の王朝で女性の政治介入はタブーだったけど皇室に皇子が生まれず、皇太后が複数摂政をしました。
11位春花焰
ウー・ジンイェンさん2024年作品です
呉謹言さんと劉学義さんの時代劇です。呉謹言さんはこのドラマ公開前に結婚しました。そのせいもあってか、最近のドラマでは恋愛シーンの雰囲気も良くなってきました。今回アクションシーン(特撮やスタントが多かったかもしれないけど)キレがいい動きは好印象でした。
憎しみと愛の間で葛藤し、生ある限り必死に生き、最期は静かに終わりを迎えるドラマです。生に執着するより、仮に短くても後悔の無い人生を送る事の大切さを感じさせる作品です。
12位一生一世
今時これだけキュートでシャイな30代男優は珍しいです
この「一生一世」全30話は、アレン・レンとバイ・ルー主演の「周生如故」全24話の続編です。「周生如故」では時代劇で、皇弟ながら皇位継承権を辞退して辺境で軍を指揮する周生辰と、名家令嬢の漼時宜が、何年も惹かれ合っていたのに、一族の利害と礼節に縛られて結ばれませんでした。
「一生一世」では、その2人が輪廻により現代の世で再会し愛し合うのです。周生辰は学者で名家の後継者、時宜は声優として土ドラマの漼時宜役を担当し、偶然出会って一族の騒動に巻き込まれるのです。
バイ・ルーはシュー・カイと同事務所の同期で「招揺」「烈火士官学校」などで共演しましたが、今回は武芸と無縁の才女役です。
13位王妃 王昭君
ヤン・ミーさん初主演作品で可愛いさ一杯です
王昭君は中国古代4大美女の1人と言われ、ヤン・ミーさん(撮影当時19~20歳)に白羽の矢が立ちました。天真爛漫で印象的な可愛さはファン必見です。
ドラマの舞台は前漢元帝の治世で、匈奴との融和の為に花嫁として贈られた王昭君をドラマ化した作品です。ドラマ自体は過度な脚色をせず、戦闘や衣装、蠟燭の弱い灯など、紀元前1世紀を推測できる素朴感ある作品です。但しヒロインの美貌を印象付ける為とはいえ、幼馴染がもっとイケメンだったらもう少し高得点でした。
因みに史実は、13歳入宮、17歳で前漢から匈奴君主に輿入れ、19歳で高齢の夫死亡により義理の息子(といっても昭君より年上)に再嫁、30歳でその夫も死亡、2男(うち1男早逝)と2女をもうけ35歳逝去。
ドラマでは入宮時に徴用された理由は2回り年上の元帝の側室候補でしたが、史実では元帝は病床で王昭君を嫁がせた直後に崩御した事から、実際は同じ歳の皇太子の妃候補(肖像画を平凡に書かれたせいで妃に選ばれず宮女だったのは史実らしい)と推測します。昭君は地方出身とはいえ琵琶と琴を弾けて習字囲碁も嗜んだそうなので、庶民出身ではなく名家の令嬢だったはずです。しかし他の妃候補たちが重臣の娘で、陰謀で一族が虐殺される時代だったので、匈奴に嫁ぐ方がマシだったのでしょう。昭君の死後、現在の内蒙古に霊廟を建立された一方、娘を漢政府の政争に利用されるのですが。
私は最近ヤン・ミーさんのドラマにハマって結婚後約9年分のドラマを見てどれも良かったのですが、彼女の初期の出演作も見たくなりました。古い作品は入手できないのですが、調べた情報を紹介します。
幼児で子役としてデビュー、その後一旦芸能界から離れたものの中学生で雑誌モデル、高校生で孫麗さんの妹役などで頭角を現し、高校卒業頃に「王昭君」の主役が内定。芸能活動多忙のため大学進学を1年遅らせ、その間に3作品への出演と王昭君の役作りをしたようです。時代劇初主演だから、きっと所作、舞踊、乗馬、弓など、基本的な役作りが大変だったはずです。1年後、大学進学と同時に王昭君の撮影も始まり、内蒙古ロケなどもあったそうです。
ヤン・ミーさんは年齢と共に役柄を広げてきましたが、ポジティブで困難にも自分で決断して立ち向かう女性像は、この頃から一貫してるようです。
13位解憂〜西域に嫁いだ姫君〜
紀元前に烏孫国に嫁いだ王女のドラマです
前漢の時代に皇帝が烏孫国に嫁がせた解憂王女をモデルとなった2016年放映のドラマで、主演の張歆芸(チャン・シンイー)と袁弘(ユエン・ホン)は同年に結婚しました。かなり史実が脚色されているものの面白いドラマです。ドラマでは、解憂と翁帰がお互いの身分を知らずに惹かれ合ったけど運命に翻弄され、解憂は公女として烏孫国の王に嫁ぎ、翁帰は王の従弟で左将軍として再会し、宮廷内の陰謀に巻き込まれるのです。そして最後は夫が崩御し、即位した翁帰の求婚を解憂公女が躊躇した末受け入れる場面で終わるのです。
史実:烏孫国は現在のキルギス地方にあった国で、当時中国の周辺国の中で唯一青眼赤顔、つまり白人系民族だったそうです。烏孫王に漢皇帝が嫁がせた細君公主が5年後病死した事に伴い、皇族の中で不遇だった解憂王女が後妻として送られました。しかし数年後王死去により次の王(従弟)に再嫁しました。遊牧国家では夫の死後、妻が血縁の無い義理の息子などに再嫁する習慣によるものです。翁帰との間に5人の子を授かり約30年連れ添い、彼の死後次の王(最初の夫と匈奴妻の子)に再再嫁し、高齢ながら1男を出産した後、不仲で事件が起きました。それでも烏孫で半世紀生きぬき、晩年は70歳で孫3人と長安に帰還して永眠しました。
余談ですが:前漢から匈奴に嫁がされた王昭君は解憂王女逝去の頃誕生し、十代で匈奴の老王とその息子に嫁ぐことになりますが、僅か35歳で匈奴で亡くなりました。楊冪(ヤン・ミー)20歳の時に演じたドラマで描かれています。
解憂公女は前漢が匈奴を牽制するために烏孫に嫁がせ、半世紀も代々国王の夫人となり和平に貢献しました。次世代の王昭君は匈奴に嫁ぎましたが、死後前漢は王莽に簒奪されてしまうのです。
14位芸汐<ユンシー>伝 ~乱世をかける永遠の愛~
引用元: Amazon
ジュー・ジンイーさんがいいですね
ジュー・ジンイーさんのドラマで好きなのは「宮廷衛士の花嫁」「如意芳菲 」が良くて「芸汐伝」も良かったです。私は現実離れしたファンタジーは好きじゃなくて殆ど見ないので、時代劇っぽい3作を見たらどれも良かったです。
14位宮 パレス 〜時をかける宮女〜
引用元: Amazon
2011年放送の紫禁城を舞台にした宮廷陰謀&ラブコメディーです
ヤン・ミーさんのドラマにハマって過去10年分のドラマを殆ど見たのですが、彼女の独身時代のドラマ(往々にして画像が古いのですが)も見ようと思い立ちました。
2010年制作ですから、ヤン・ミーさんが23~24歳の作品です。現代人がタイムスリップして康熙帝時代の紫禁城に来てしまい、後宮宮女になり第4皇子と第8皇子などを巡って騒動に巻き込まれる話です。またそっくりな他人役でも登場します。『瓔珞』の于正監督の制作で、第8皇子はウイリアム・フォンが演じています。2人は2010~2011年作品で何度も共演しました。当時は記録的な高視聴率だったようです。
そういえばこのドラマの8か月後にリウ・シーシー主演で『宮廷女官 若曦』が同じ設定(現代からヒロインがタイムスリップし康熙帝の第4、第8皇子が絡む)を演じ、こちらも比較的高視聴率だったそうです。
14位伝家
「瓔珞」メンバー再結集です
大ヒット宮廷ドラマ「瓔珞」メンバーのドラマが2022年に2つ放送されました。1つは「尚食」で于正監督、許凱と呉謹言が明の宣宗と孫皇后を演じました。宮廷女官のドラマとしては良かったけど、夫婦愛のテンションが少し低かったかな。
そしてもう1つがこの「伝家」で日中戦争開始頃の上海を舞台に百貨店を経営する易氏一族の物語です。瓔珞から呉謹言、秦嵐、聶遠が再結集です。少しテンポが遅く感じましたが、ストーリーはビジネス権益と家族愛の間で良く構成されていたと思います。ただ日中戦争期で日本が悪者として描かれています。戦争時は中国経済人の間にも反日ヘイト、日中融和派、賄賂や脅しで売国奴になる者など様々だし、英米も正義より利害だった点は同意するけど、大衆がドラマによって反日歴史に洗脳されそうで懸念します。
日本でも高度成長期まではヤクザ上がりの土建屋もいたようですが、当時の中国の方が山賊上がりの権力者が影響力を持っていたのです。私は戦時中犠牲者となった中国人の多くは中国軍に殺されたと信じていますが、ドラマでは日本人が住民を侮辱して嘲笑したり住民を殺して権益を奪うシーンが複数出てきました。
宮廷女官のドラマとしては良かったです
「瓔珞」で悲恋の役を演じた許凱と呉謹言コンビが于正監督と差異タッグを組んだと聞いてみる事にしました。厨房の宮廷女官のドラマとしては大変良かったです。女同士の陰謀と正義、友情がよく描かれていました。
ただ「瓔珞」の富察傅恒と魏瓔珞に結ばれて欲しかったファンとしては、今回のドラマで明皇帝朱瞻基と孫皇后の幸せな夫婦になってくれることを願っていたのですが(確かに夫婦になって孫氏を皇后に抜擢してある意味幸せな人生になってるんだけど)、2人一緒の場面で恋愛テンションが下がる、もどかしいドラマでした。
清朝時代に商家の女主人が奮闘する物語です
最初第1話を視聴したら、正妻が夫と妾の別宅に乗り込むシーンで始まったので、私の嫌いな嫉妬ドロドロの話かと思ったら、そんな感じでは無かったです。女商人が、官僚の汚職や横暴から店を守り、家族や奉公人たちとの絆を通して、自分の生き方を再考する話です。
乾隆帝治世の蘇州の老舗絹織物店の故事がモデルとなっています。蘇州の大手絹織物店清越坊の正妻沈氏は、夫である任家若旦那と共に店を切り盛りしつつ、町一番の織物職人でもあります。冒頭で京劇好きで浪費家と思われた妾と夫と正妻とは実は事情があるようです。そんな中、義弟が問題を起こし、若旦那が海賊に襲われて行方不明になり、妾が産んだ長男を沈氏が引き取って嫡母となります。夫を襲った海賊の親玉と陰で糸を引いた役人の情報収集をしながら、夫不在の清越坊を支えるのです。しかし官僚が私腹を肥やしたり秘伝技術を奪うため、不当な拷問やスキャンダル拡散などで次々に妨害を受けるのです。儒教社会では女性の地位が低く、冤罪でも女が拷問され肌を衆人の目にさらす事自体が恥だからと、自害を強要される理不尽な場面もあります。
沈氏は最大の危機を乗り越えた後、人生の岐路に立ち、離縁して絹織物職人を養成する工房を立ち上げ、女性の自立に寄与するのです。
余談ですが、乾隆帝の治世には、商人の街蘇州の富裕平民からも複数入宮し貴妃や妃にもなりました。製作は「瓔珞」の于正(ユー・ジョン)でドラマの時代設定もほぼ同時期です。
もう1つ余談で、この織物技術を中国語で緙絲と呼ぶそうですが、日本の帯などに使われる西陣織と似た技術です。西陣織の元祖は5~6世紀の豪族秦氏で、中国南西地方出身の帰化人で、秦の始皇帝とも近い血族だそうです。つまり京都の古い伝統技術は元々初期の中国技法が伝来し、日本でも定着し、応仁の乱頃、逆に日本の職人を誘拐していったとか。中国ドラマから色んな発見があります。
15位虎符伝奇
ヤン・ミー&ウイリアム・フォンの時代劇です
「宮パレス」で高視聴率を記録したコンビが次に制作した時代劇でした(放送は2012年)が、視聴率は伸びなかったようです。前作と違ってシリアスなドラマで一目でお互いに惹かれ合って婚約寸前で引き裂かれ、ドラマの大半を再会できないまま生き延びます。舞台は紀元前3世紀の秦の始皇帝が誕生する以前の時代で、秦、魏、趙の朝廷が登場します。この時代の歴史を少し知っていないと難しい話かもしれません。
またヤン・ミーさんは2012年初頭に後に結婚する劉愷威との交際宣言をしていた事もあり、この時期に出演したドラマ数も非常に多く自分が出演する裏番組に視聴率を食われるほど超人気だったようです。
15位古剣奇譚〜久遠の愛〜
ヤン・ミーさん2014年ファンタジーアクションです
このドラマはおそらく累計100億回再生を記録した初期のドラマかもしれません。放送された2014年はヤン・ミーさんにとっては事務所独立、結婚、出産の年でした。「永遠の桃花」の3年前の作品ですが、同事務所になった高偉光さん、迪麗熱巴さん、それから2021年「斛珠夫人」の相手役となる陳偉霆さんも共演しています。主役は李易峰さんです。
因みに同年1人は范冰冰さんの「武則天」でした。これまで中国では歴史上の人物を描くドラマが多かったけど、この頃から時代劇ファンタジーや現代ドラマが増えたように思います。
北宋の曹皇太后の話です
最初にこのドラマを視聴した時はただ画面が暗くてよく分からないという印象でしたが、先に「大宋宮詞」でリウ・タオさん演じる劉太后を見てからこのドラマ(息子と嫁)を見たら、時代背景を理解しやすかったです。
ドラマでは、父帝の崩御後、少年仁宗は、母で摂政の劉太后が実は生母ではなかったと知りショックを受ける所から始まります。仁宗の子も多くが早逝し、成人したのは皇女4人だけで皇子ゼロだったため、甥を養子にして皇太子にしました。曹皇后は、仁宗に継皇后として30年連れ添い、その後も摂政皇太后として2代の皇帝を補佐するのですが、凛として忍耐強く皇帝から信頼されるけど、女性としての幸せにも子宝にも恵まれない女性です。
主役の王凱(ワン・カイ)さんは琅琊榜で有名になりました。江疏影(ジャン・シューイン)さんは初めて知りましたが、帰国子女で美人で凛とした女優さんです。ドラマの感想ですが、時代劇の風情はいいんだけど、69話は長すぎだし、曹皇后が耐えるばかりで皇太后になってからが描かれていないのが残念です。
17位如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~
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『如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』(にょいでん しきんじょうにちるしゅくめいのおうひ、繁体字: 如懿傳、簡体字: 如懿传、拼音: Rúyì Zhuàn、英語: Ruyi's Royal Love in the Palace)は、リュウ・リエンズーの恋愛小説『後宮·如懿伝』を原作として、2018年に放映されたテレビドラマ。なお、原作小説はテレビドラマ『宮廷の諍い女』の続編であるが、テレビドラマ版は続編的な位置づけではなく、一部設定が異なる。中国では2016年8月23日から撮影開始。2017年5月5日製作終了。
途中まではいいんだけど終盤が残酷すぎでした
乾隆帝の時代が舞台になってるけど、史実と完全に乖離していて、終盤のストーリーが残酷すぎて共感できなかった作品です。前半は皇帝と幼馴染の純愛でいい話になっていたのですが。
同時代を描いた「エイラク」では、少なくとも魏氏が宮女出身で仕事が出来る努力家だった点は事実だったようですが、継皇后ナラ氏は苗字からして名門ウラナラ氏ではなかったし、長年寵愛もされなかった人で、皇后富察氏が早逝した事と彼女が数少ない満州族の側室だったというだけで皇后に昇格した人でした。
ドラマの中では皇帝が側室複数に薬を飲ませて中絶や不妊にさせたのですが、動機に無理があります。断片的な史実を検索すると、継皇后ナラ氏が皇后に内定した頃から(後に皇貴妃となる魏氏を除き)不妊や流産が続いたので、私は皇帝ではなくナラ皇后が「嫉妬または息子のライバル排除を狙って」側室を流産させたり死亡させたと疑っています。
17位始皇帝~勇壮なる闘い~
ヤン・ミーさん初期の作品で始皇帝晩年を描いたドラマです
この作品は中国本土では途中で放送が打ち切られたとかで、日本でDVDが出てるのは貴重らしいです。
ヤン・ミーさん初主演作品「王妃 王昭君」から2年後に主要メンバー再集結で制作された作品です。秦の始皇帝を描くドラマは多いけど、これは中国統一時代ではなく晩年に「世界初のハイウェイ秦直道900km」を造成するまでの「匈奴との抗争と和平」「朝廷の陰謀」を描いています。
ヤン・ミーさんは準主役級の霊児役です。実父が秦直道の提唱者で無念の死後、皇帝がその死を悼み養女にする設定で、辺境の地で乗馬シーンも出てきます。天真爛漫な可愛らしさは王昭君の時と共通していますが、最終回の戦闘で生き延びた後どうなったのかは描かれていません。
私が一番好きな中国ドラマの1つです
側室の娘の肩身の狭さや体罰など時代的な残酷さもありながら、主人公の変遷が興味深いドラマです。架空の人物ではありますが「大昔は実際にこんな人がいたかも」と思わせてくれる場面も多いです。
正妻と側室のいがみ合いや体罰などは残酷だと思いましたが、それも含めてカルチャーショックを受けた歴史ドラマです。また主演のチャオ・リーインさんとウィリアム・フォンさんがドラマの後結婚し1児を授かった事でも有名になった作品です。