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杉村 啓さんの「卵かけご飯用醤油ランキング」

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更新日: 2021/01/20
杉村 啓

醤油・日本酒研究家/グルメ漫画研究家

杉村 啓

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まえがき

卵かけご飯用醤油は2001年に熊本県の「橋本醤油」が開発しました。橋本醤油の社長の橋本さんがPTA役員をやっていたときに、子ども達が朝ご飯を食べてこないことが多い事に気づいたのが開発のきっかけです。

どうにかして朝食を食べて欲しい。そこで考えたのが「卵かけご飯」にかける専用の醤油だったというわけです。

ポイントになるのは、橋本醤油は九州の醤油会社ということ。「九州の醤油は甘い」と聞いたことがある人も多いでしょう。甘い醤油をベースに、卵の繊細な甘さを生かす醤油を開発したのです。

橋本社長は卵かけごはん用醤油のことを造り方も含めて広く伝え、そこから全国で卵かけご飯専用醤油が誕生します。

こういった経緯があるため、全国で売られている「卵かけご飯用醤油」の大半はほのかに甘みのあります。卵かけご飯にも、塩っ辛い醤油がいい! という方にはなかなか難しいかもしれません。でもやはり、卵との相性を考え抜かれて誕生したものなので、ぜひ一度食べてもらいたいと思います。

ランキング結果

オリーブオイルと黒トリュフをたっぷり使った風味豊かで贅沢な醤油

白醤油という琥珀色をした醤油にオリーブオイルを加え、さらに黒トリュフをたっぷりと入れた醤油です。紀ノ国屋スーパーの限定商品のため、店舗に行ったことがない方は見る機会が少ないかもしれません。

卵かけご飯と油の相性はかなり良いです。醤油の他にごま油やオリーブオイルを軽くかけてみてください。コクや風味がグッと増します。

この醤油はオリーブオイルの風味を活かすために、濃口醤油よりも香りがやわらかな白醤油を使っています。さらに黒トリュフを入れることで、芳醇な香りも加わるのです。

一度味わったらまた食べたくなる、贅沢なひとときを提供してくれる醤油です。紀ノ国屋でもかなりの人気商品なのも、納得することでしょう。なくなったらすぐにまた買いたくなるのです。ぜひ試してみてください。

「卵かけご飯専用醤油」の元祖!

卵かけご飯専用醤油は、熊本県の「橋本醤油」が作り上げたものです。橋本社長が朝食を食べない子ども達のために考案、開発しました。

なぜ卵かけご飯の専用醤油を造ろうと思ったのか。それは以下の理由があります。

・両親ともに忙しいことを考えて、子ども自身が調理しやすいもの
・子どもが調理するため、火を使わない安全性の高いもの
・朝食として手早く食べられ、栄養価も高いもの

これらの条件に合うのが「卵かけご飯」であり、それならば卵かけご飯をおいしく食べられる、興味を持ってもらえるようなものを作ろうと6年かけて開発、誕生しました。

卵の繊細な甘みをより際立たせるために、オリゴ糖を使った優しい味わいの醤油です。「元祖」の味を堪能してください。

卵かけご飯専用醤油ブームを決定付けた醤油

卵かけご飯専用醤油のブームが本格的になったのは2002年のことです。吉田ふるさと村から発売された『おたまはん』には味つけに合わせて「関東風」「関西風」の二種類があり、話題になって大ベストセラーとなったのがきっかけです。

関西風はみりんを効かせていてやや甘めに仕上がっているのが特徴です。使っているみりんは本格的なみりんとして有名な三州三河みりん。蓋を開けると、しっかりとした醤油の香りの中に、みりんの甘い香りがしてくるのを感じられます。砂糖醤油ほどではない、そばつゆをやや薄めたようなほのかに感じる甘みなのですが、それでも根底に甘みが効いているのです。これが、卵の風味を活かすのですね。

ちなみに関東風はみりんを抑えてさらに甘さ控えめにしています。甘い醤油が苦手な方には関東風をおすすめします。

日本一の「今半」が手がける、すき焼き後の卵かけご飯を味わう!

日本一の呼び声も高い、すき焼きの名店といえば人形町の「今半」です。その「今半」が手がけた卵かけご飯醤油ですから、これはもう期待が高まりますよね。

この醤油のテーマは「すき焼き後の卵かけご飯」。つまり、卵かけご飯にただ醤油をかけるのではなく、お肉や野菜の旨味がたっぷりと溶け込んだ割り下をかけて食べるのを再現した醤油なのです。そのため、中には昆布や椎茸のエキスだけでなく、ビーフエキス、たまねぎエキス、ねぎエキスなどが含まれています。

とても甘みと旨味がつよく、ほんのりと牛肉の香りがする、本当にすき焼きを食べているかのような気持ちにさせてくれる醤油です。これでうどんを食べても良いですね。

日本一と誉れ高い、卵かけご飯の名店の専用醤油!

日本一おいしい卵かけご飯を食べたいときはどうしたらいいでしょうか。なかなか難しいのですが、兵庫県豊岡市にある「但熊」へ行ってみるといいかもしれません。箸で持ち上げられるほどしっかりとした黄身を持つ「クリタマ」という卵、甘みと粘りがありながらタンパク質は抑えめでさっぱりとした味わいの「夢ごこち」というお米、そして専用醤油による旨味の三位一体の味を堪能することができます。その味わいは日本一と言われるほど。

そんな、卵かけご飯を知り尽くした「但熊」の専用醤油がこの「たまごかけごはんしょうゆ」です。ダシをたっぷりときかせて旨味が強く、ダシの香りも濃厚です。旨味や甘みが強いので、醤油の塩辛さがマイルドに感じられるため、普段より少し多めに卵かけご飯にかけるといいでしょう。

ちなみに「但熊」のオンラインショップからは「クリタマ」「夢ごこち」「たまごかけごはんしょうゆ」のセットを購入することもできます。日本一の味を、味わってみましょう。

あとがき

卵かけご飯はご飯や卵、そして醤油を厳選することも楽しいのですが、作り方で味わいが結構変わったりもします。変わり種を2つほど紹介しましょう。

●先に醤油をかける
多くの人が、卵をといて醤油をかけ、それをご飯にかけるか、ご飯に卵をかけ、その後に醤油をかけていると思います。この順番を、少し変えてみると味わいが変化するのです。

具体的には、まずご飯に醤油をかけて醤油ご飯を作ります。その後に、卵をかけて食べるのです。ご飯→卵→醤油の順番だとご飯を卵がコーティングし、しっかりと絡まないことがあるのに対して、ご飯→醤油→卵の順番だと醤油がなじむというのがポイント。さらには、卵が最初に口に当たるため、醤油の塩辛さのアタックが和らぎます。醤油の味わいを楽しみたい方におすすめの食べ方です。

●エアリー卵かけご飯
NHKの番組で「エアリー卵かけご飯」として紹介された食べ方です。
まず、卵を黄身と白身に分けます。白身だけを熱々のご飯にかけ、お箸で泡立てるように勢いよくかき混ぜましょう。そうすることで白身のどろっとした部分がなくなり、ふわふわで食感が良くなります。

その後、黄身を真ん中に乗せて完成です。醤油をかけ、黄身を崩しながら食べましょう。手間はかかりますが、一度やってみて欲しい食べ方です。

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