1988年に『揚羽蝶が壊れるとき』で小説家デビューを果たした芥川賞作家・小川洋子。清閑でノスタルジックな世界観と繊細な文章でゆるやかに進んでいくような作風が魅力です。今回は、みんなの投票で「小川洋子の人気書籍ランキング」を決定したいと思います。芥川賞受賞作の『妊娠カレンダー』をはじめ、『薬指の標本』や『博士の愛した数式』、『ことり』など数々の人気作がラインアップ!ランキングでは完結作品から新刊まで投票が可能です。あなたのおすすめも教えてください。
最終更新日: 2021/01/16
このお題は投票により総合ランキングが決定
本ランキングにおける小川洋子の書籍の投票範囲は、彼女が手がける作品です。共著やアンソロジー、対談集などの作品にも投票が可能です。
ランキングの順位は、気軽に参加可能な3つのボタンによる投票と、自分の順位を決めて公開・投票するマイランキングの合計ポイントで決定します。マイランキングの方がポイントは高く、順位に及ぼす影響は大きくなります。
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1位博士の愛した数式
2位猫を抱いて象と泳ぐ
3位ブラフマンの埋葬
4位物語の役割
5位薬指の標本(小説)
1位博士の愛した数式
2位猫を抱いて象と泳ぐ
3位ブラフマンの埋葬
4位物語の役割
5位薬指の標本(小説)
条件による絞り込み:なし
チェスと少年
孤独だった少年がチェスとの出会いで、人生が大きく変わっていきます。チェスのルールがまったくわからない私でも、チェスの奥深さに魅了され、一気に引き込まれました。物語の展開も予測しない方向に進んでいって、ページを捲る手が止まりませんでした。
チェスの話
自分の殻に閉じこもりがちだった少年が、ある男性からチェスを教わって、チェスの名プレイヤーとして成長していく物語です。コンプレックスを抱えていた少年がたくさんの人たちと出会い多くのものを学び、感受するさまは見ている人になんだか勇気をくれます。ときには別れも経験し切ない思いをすることも。
チェスに興味がない、チェスのルールもわからないといった人にもオススメできる作品。事実まるでチェスのことを知らない私ですら、最初から最後まで中だるみすることなく読むことができました。
主人公の少年を含めてチェスに関わる人たちの情熱や思いの強さが素敵。小川さんの紡ぎ出す言葉の美しく優しい世界観に浸っているだけでも楽しめます。
ブラフマン
主人公がブラフマンと名付けた小動物。どんな動物なのかは作中ではっきりと名言していないので、読者の想像力次第でどんな動物にでもなると思います。それでも共通しているところはブラフマンの愛らしさでしょう。そんな不思議で愛らしい小動物、ブラフマンとのひと夏の思いではいとしさに満ち満ちています。何気ない毎日が楽しそう。小川さんの美しい情景描写も必見。簡単に小川ワールドへと想像を飛ばすことができます。
タイトル通り、ブラフマンが死んでしまうシーンはとても悲しく涙ができました。本当に唐突な死ですが、どこか淡々としていて、死というものについての向き合い方を探っているようにも思えました。
作者の考え方が垣間見える
小川洋子先生が行った3つの講演をもとにつくられたエッセイ。小川先生や小説家が物語を考えているときについての考察や、実際に小川先生が小説を書く上でのプロセス、小川先生の謙虚な姿勢がわかり、読んでいて楽しかった。
国内外で高く評価されている作品づくしの「小川洋子の人気書籍ランキング」。ほかにも、ジャンル別の小説ランキングや、作家ごとの人気作品ランキングなど、おすすめのランキングを多数公開中。ぜひCHECKしてください!
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最後まで心が温まる
2004年に発行され、第55回読売文学賞と第1回本屋大賞を受賞した作品。交通事故の後遺症によって記憶が80分しか持たない「博士」と、博士のもとにやってきた家政婦で主人公の「私」、主人公の10歳の息子「ルート」との交流を描いたお話です。登場人物のあたたかさに心が動かされ、数学なんて二度とやるかと毛嫌いしていた私が数学をちょっと勉強してみようかなと感じた作品でした。この小説は、主人公が博士の家に派遣されるところから始まります。数学以外のことにほとんど興味を示さないうえに、いきなり靴のサイズを聞いてくる、ひとことで言うと変人な博士に主人公は困惑します。しかし、10歳の息子が家で留守番していると知った際は家に連れてくるように言い、息子の平らな頭を撫でながら「ルート」とあだ名をつけてくれる優しい人でした。そして、もとは赤の他人だった博士、主人公、ルートは過ごしていくうちに親しくなっていきます。たとえ記憶が何度も博士の記憶がリセットされても、また仲良くなります。ストーリーの中では、博士の数字に対するこだわりや、登場人物たちの優しさにあふれるシーンがいくつか登場しますが、私が好きなのはバースデーケーキと野球カードのくだり、完全数の部分です。(ネタバレになるから詳しくは省略します)とくに完全数の場面では私もつい調べてしまいました。最後まで登場人物たちのあたたかみが感じられ、文体もやさしいので、あまり小説になじみない人にもおすすめです。
最後は泣きそうになる
記憶が80分しか持たない博士と、博士のもとに派遣された「私」とその息子「ルート」との心の触れ合いを描いた小説。最初の博士が語る数字や数学についてはあまりついていけなかったけど、博士のルート君に対する優しさにはほっこりした。ルート君を迎えに行くシーンや、一緒に野球観戦しにいくところは完全におじいちゃんと孫だった。あまり数学に馴染みなさそうな「私」とルート君が博士が愛している数学に興味をもったのも、博士の人柄故なのかもしれない。おかげでラストはとても寂しい気持ちになったけど、最後まで「私」とルート君の博士への愛情が感じられた。はじめて呼んだのは高校生のときだったけど、今読み返しても心が温まる。
人気作
映画化もされた人気作です。メインとなるのは、80分限定の記憶しかない数学博士、彼の世話をする家政婦、そんな家政婦の息子で阪神タイガースファンの少年の3人。学生時代数学が苦手だった私も、丁寧に解説してくれる博士のおかげで苦もなく読み進めることができました。数式の美しさ、その一端を知った思いです。そんな私と同じように、家政婦の「私」もどんどん数字に対して理解が進んでいきます。なので自分自身と投影させながら物語を見ていました。そして博士から少年に注がれる愛。博士との意思疎通に困っていた「私」を助けたのも、少年への愛でした。少年への愛が分かるシーンが出てくるたびに心がぽわっと暖かくなります。
終始暖かさが横たわった静かで優しいお話。
80分限定の記憶
80分しか記憶することのできない数学者と、家政婦とその息子の交流を描いたお話で、映画化もされたヒット作です。数学の素晴らしさもしれて、人の暖かさを感じることのできる名作。まさか数式を通して人と人との心を通わせ合うことができるだなんて。数学が苦手だった自分にはとても思いつかない発想でした。
思いやる気持ちがいたるところに出てきて、ほっこりできます。