1分でわかる「百合アニメ」
百合とは
百合とは、女性同士の恋愛・友愛を描いた、いわゆるGL(ガールズラブ)を題材とした作品を意味します。雑誌「薔薇族」の編集長が男性同性愛者を薔薇と呼んだのに対し、女性の同性愛者を百合に例えたことが呼称のきっかけだとされています。また、GL作品を好む者は”百合女子(男子)”や”姫女子(男子)”と呼ばれます。
百合作品を見たファンが使う「キマシタワー」とは?
百合作品を見て興奮したファンが「キマシタワー」という言葉を発することがあります。これは「キター!」をお嬢様風に言い換えた言葉で、学園百合アニメ『Strawberry Panic!(ストロベリー・パニック)』(2006年)の涼水玉青が、この言葉を放ったことが発祥です。
百合のジャンル
百合を描いた作品では、登場する女の子の年齢や作品傾向などによって、それぞれ呼び方が存在します。こちらでは詳しく触れていませんが、社会人同士の百合を描いた”社会人百合”、1人の女子が複数の女の子からアプローチされる”百合ハーレム”と呼ばれる作品もあり、百合だけでもジャンルの傾向が多岐にわたります。ツンデレやヤンデレのほか、サイコパスじみた言動をとる”サイコレズ”も登場し、女の子の属性も多種多様です。
ガチ百合&ソフト百合
レズビアン作品が性的な要素が色濃い作品に使われることが多いのに対し、百合は手を繋ぐ程度のものから性行為に及ぶものまで範囲が広めです。そのため、『捏造トラップ-NTR-』(2017年)のようにパートナー同士の絡みが強いものを「ガチ百合」、『ゆるゆり』(2011年)や映画『リズと青い鳥』(2018年)など恋愛未満の親密な関係を描いた作品は「ソフト百合」と分類することがあります。
姉妹百合
姉妹同士の同性愛は姉妹百合と呼ばれます。血の繋がりがある姉妹だけでなく、『citrus』(2018年)のように義理の姉妹を描いた作品や、『マリア様がみてる』(2004年)に登場する姉妹のような関係の2人も姉妹百合として扱われています。ちなみに、双子の姉妹には双子百合という呼称が存在します。
おねロリ

ハッピーシュガーライフ(アニメ)
(引用元: Amazon)
おねロリとは、お姉さん×ロリの略語。おねロリにおいてのお姉さんは、血縁的な姉という意味ではなく、年齢が年上もしくは見た目が大人っぽい女性のことを指すことが多いです。そのため、大人と幼女の組み合わせを描いた作品以外にも、『ハッピーシュガーライフ』(2018年)の松坂さとうと神戸しお(さとしお)のように、年齢問わずに一方がパートナーよりも年上に見える、あるいは幼く見えるカップルを描いた作品もおねロリとして扱われます。
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「好き」が分からない二人、交錯する繊細な百合心
『やがて君になる』は、人に恋する気持ちがわからない女子高生・小糸侑が、生徒会長の七海燈子と出会うことで始まる学園ドラマです。侑は中学で告白されても特別な感情を抱けず、誰にも心を動かされない燈子に共感を抱きます。しかし、その燈子から「私、君のこと好きになりそう」と告白され、二人の関係は動き出すことになります。
本作は、互いに「好き」という感情を知らない、あるいは受け入れられない二人の少女の複雑な心の動きを丁寧に描いています。七海燈子は亡くなった姉の影を追い、自分自身を演じることで苦悩し、侑には「私のことを好きにならないでほしい」と願うのです。この歪な関係性が生む緊張感は、物語の大きな軸です。中でも、第13話の水族館デートは、重要な転機となります。侑が燈子の本心に触れ、心が動かされる瞬間は、視聴者の胸を打つことでしょう。
本作は、恋愛感情や自己アイデンティティといったテーマを丁寧に掘り下げ、百合作品として緻密な心理描写が大きな魅力となっています。物語はじっくりと進行するため、展開の速さを求める人には穏やかに感じられるかもしれません。しかし、二人の少女が感情と向き合い、関係を築いていく過程は、視聴者それぞれに「好き」という感情の多様性について深く考えさせるきっかけを与えてくれるでしょう。
▼こんな人におすすめ
・繊細な心理描写の学園百合ドラマが見たい人
・複雑な恋愛感情と自己認識の葛藤を描いた作品が好きな人
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