アクロイド殺しの詳細情報
参考価格 | 902円(税込) |
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『アクロイド殺し』(アクロイドごろし、原題:The Murder of Roger Ackroyd)は、アガサ・クリスティが1926年に発表した長編推理小説である。クリスティ6作目の長編で、エルキュール・ポアロ・シリーズの3作目にあたる。 現在でも推理小説史上に残る名著として、クリスティの代表作の一つに挙げられている。 (引用元: Wikipedia)
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感想・レビュー
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倒叙トリック
いわゆる倒叙トリックの名作です。王道ではないので、ミステリファンにとっては好き嫌い分かれそうな作品ですが、私はこの小説が従来のミステリの概念を破壊し、新風を吹かせたと考えています。従来の作品は探偵役が作中のヒントを元に犯人を見つけるという形式ですが、この倒叙トリックにより、第四の壁は打ち壊され、観る者(読者)もこの作品世界に関与することになりました。文学とは、フィクションである物語世界に、リアルの世界の住人である読者が介入し、魂を登場人物と結びつけて、価値観を揺さぶられ、内的変化をもたらす機能を司るものだと思います。人物の造形が難しいミステリ文学において、読者が関与できる入口をトリックを用いて作ったこの作品が、ミステリ小説の金字塔と呼ばれるのは必然的だと考えます。
誰もが納得の名作!
「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティは、多くのミステリー作品を残しました。中でも探偵ポアロが登場するシリーズは、大変有名な作品群です。
ポアロシリーズの中で最も有名で、評価が高いのが、この「アクロイド殺し」です。その作品が有名になったのは、刊行後に巻き起こった「フェア・アンフェア」論争の影響が大きいでしょう。
この論争には日本では小林秀雄や江戸川乱歩も言及しており、大きな注目を受けました。
ミステリー作品というものは、読者も参加できる論理ゲームでもあり、そのため現代でも「後期クイーン的問題」などが議論されています。そのようなミステリーに関する論争の初期の流れを知ることにも役立つと思います。
この論争が巻き起こった理由はただ一つ――「意外な犯人」というトリックです。同時代人を虜にした作品、ぜひ読んでみてください。
推理小説として賛否両論の作品
この小説は医師の手記という形で話が進んでいきます。あくまで彼の視点から描かれているので、どうやら彼にとって都合の悪いところは書かれていないらしい。ズルいという感想もあれば、なるほどこういう方法もあるのかと納得する読者もいます。ロジャー・アクロイドは、ファンリー・パーク屋敷に住む大富豪。彼を殺したのは一体誰なのか。最後の最後までわからず、ポアロが真相を暴いた後も、犯人に提示した条件に驚きました。ポアロの犯人を憎む気持ちと、犯人の心情を思いやり、ある女性を助けようとする優しさ。探偵という一線を越えているのではないだろうかと思った作品です。私はアガサ・クリスティのとったこの手法に、ズルいと思いながらも魅せられました。
天鳥そらさん(女性・30代)
5位(70点)の評価