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悪魔の手毬唄(1977年)に関するランキングと感想・評価

悪魔の手毬唄(1977年)

引用元: Amazon

最高評価

68.1

(12人の評価)

昭和邦画ランキング」で最も高い評価を得ています。

悪魔の手毬唄(1977年)の詳細情報

制作年1977年
上映時間144分
原作横溝正史『悪魔の手毬唄』
監督市川崑
脚本久里子亭
メインキャスト石坂浩二(金田一耕助)、岸惠子(青池リカ)、仁科明子(別所千恵)、北公次(青池歌名雄)、草笛光子(由良敦子)ほか
制作田中収、市川崑
主題歌・挿入歌哀しみのバラード / 村井邦彦
公式サイト-
参考価格2,183円(税込)

感想・評価

全 1 件を表示

恋愛映画ランキングでの感想・評価

さり気なく描かれるオトナの淡い恋

これまで70年以上にわたって名探偵・金田一耕助は様々な俳優たちが演じてきました。各時代のスターや個性派俳優が演じた歴代の金田一を並べるだけでも、優に30人近くになります。最近では加藤シゲアキが金田一役に挑んでいましたが、昨年末に放送された最新作『悪魔の手毬唄』は、実に8度目の映像化でした。

歴代の『悪魔の手毬唄』のベスト――というより映像化された金田一耕助もののベストワンに挙げられることが多いのが、石坂浩二が金田一を演じた『悪魔の手毬唄』(1977)です。
山に囲まれた岡山の寒村に古くから伝わる手毬唄の歌詞に沿って起きる奇妙な連続殺人事件。亀の湯の女将・青地リカの夫が殺された20年前の忌まわしい事件との関係も解き明かしながら、金田一と相棒の磯川警部が謎を追う物語は、ミステリーの枠を越えて親子の愛情物語にまで広がりを見せます。
 
血しぶきが画面いっぱいに飛び散る強烈なショック・シーンと、叙情的なシーンが重なりあうばかりでなく、ユーモアも絶妙に配置されており、名匠市川崑監督ならではの変幻自在なテクニックが駆使されています。

さて、この映画のどこが恋愛映画なのかと思われるかもしれませんが、初老の磯川警部が密かに思いを寄せる青地リカとのオトナの淡い恋が、全編を通じてさり気なく描かれているのです。2人が久々に再会したときの表情や、ふとした瞬間、2人きりになった時にこみ上げてくる嬉しさと恥ずかしさがあふれるやり取りにはたまらないものがあります。

磯川警部は若山富三郎、青地リカに岸恵子。名優2人が見せる味わい深い演技は、この年齢とキャリアだからこそと思わせる品格が漂い、いつまでも観ていたいと思わせてくれます。

ラストシーンで「磯川さん、あなたリカさんを愛してらしたんですね?」と金田一が尋ねたとき、磯川警部はどう答えるのか? 画面を穴があくほど眺めてみると答えが見つかるかもしれません。

吉田 伊知郎

映画評論家

吉田 伊知郎さん (男性・40代)

2位(90点)の評価

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