ラブ&ポップの詳細情報
制作年 | 1998年 |
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上映時間 | 110分 |
原作 | 村上龍『ラブ&ポップ』 |
監督 | 庵野秀明 |
脚本 | 薩川昭夫 |
メインキャスト | 三輪明日美(吉井裕美)、希良梨(野田知佐)、工藤浩乃(横井奈緒)、仲間由紀恵(高橋千恵子)、三輪ひとみ(裕美の姉)ほか |
主題歌・挿入歌 | あの素晴しい愛をもう一度 / 三輪明日美 |
公式サイト | - |
参考価格 | 3,564円(税込) |
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感想・評価
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庵野秀明監督の映画ランキングでの感想・評価
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デジタルビデオカメラが映す1997年の渋谷
庵野秀明監督が旧劇エヴァこと『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を完成させた直後に撮影に入ったのが、村上龍原作の『ラブ&ポップ』です。当時、社会問題にもなっていた女子高生の援助交際をテーマにした作品です。
もっとも、庵野監督は最新の風俗を取り入れた映画にするのではなく、普通の女子高生が、トパーズの指輪を今この瞬間に買いたいという欲求から援交に走る心情をドキュメンタリーのように描いています。
実写の商業映画を撮るのはこれが初めてとなる庵野監督は、映画撮影が複雑なシステムで成り立っていることを熟知していたことから、当時としては異色の撮影方法を選択しました。それが全編を家庭用のデジタルビデオカメラで撮るというものでした。現在で言うならiPhoneで映画を撮るようなものです。当時、商業映画でそんなことをやった人はほとんどいませんでした。
画質も当時の劇場用映画で使われていたフィルムに比べれば、かなり落ちます。それでもあえてこの方法を選んだのは、素人でも録画ボタンを押せば撮影が可能で、60分テープを使えば、1時間の長回しも可能だったことにありました。つまり、監督自身や出演者がカメラを持って撮影したり、カットをかけずにいつまでも撮り続けることが可能になったのです。それまでの映画との革命的な違いがそこにありました。
実際、この作品では、渋谷の街で動き回る姿をデジカメで切り取ることで、生き生きとした姿を記録しています。つまり、女子高生の心情はオジサンの監督にはわからないものの、できるだけ彼女たちの生理に沿って撮影する方法を選択することで、内面をあぶり出そうとしたのです。
庵野監督らしい凝ったアングルからの撮られた渋谷は、今では失われた風景も多く、1997年の渋谷の空気をそのまま詰め込んだような魅力にあふれています。映画は作られた時代を知ることが出来ると言いますが、この映画こそまさにそうした1本と言えるでしょう。
映画評論家
吉田 伊知郎さん (男性・40代)
2位(90点)の評価