愛のコリーダの詳細情報
制作年 | 1976年 |
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上映時間 | 104分 |
監督 | 大島渚 |
脚本 | 大島渚 |
メインキャスト | 藤竜也(吉蔵)、松田暎子(定)、中島葵( トク)、芹明香(松子)、阿部マリ子(キヌ)ほか |
制作 | アナトール・ドーマン、若松孝二 |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | - |
参考価格 | 4,227円(税込) |
『愛のコリーダ』 (あいのコリーダ、仏語 L'Empire des sens、英語 In the Realm of the Senses)は、1976年公開の日本・フランス合作映画。大島渚監督、藤竜也、松田暎子主演。(引用元: Wikipedia)
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感想・評価
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大島渚監督映画ランキングでの感想・評価
日本で撮られたフランス映画が描く究極の愛
監督もキャストも日本人で、撮影は京都。にもかかわらず、この作品は日本映画ではなく、外国映画です。その理由はフランスの映画会社がお金を出して製作したから。
日本のヌーヴェルヴァーグの異名を持ち、実験的な映画の数々を1960年代に作ってきた大島渚監督が、フランスの映画化会社から持ちかけられて選んだ企画が阿部定事件でした。
これは1936年に阿部定(阿部サダヲの芸名の由来です)が愛人男性の首を絞めて殺し、彼の性器を切り取って逃走した日本の犯罪史上に残る事件です。 有名なこの事件は、それまでも2度にわたって映画化されていただけに、フツーに作るだけでは目新しくはありません。そこで大島はアクロバティックな方法を編み出します。フランスではポルノが解禁されたことから、『愛のコリーダ』では性行為を演技ではなく実際に撮影しようとしたのです。これは〈外国映画〉だからできることでした。
もちろん、日本で性行為そのものを何も隠さずに撮影した場合、フィルムを現像する際に現像所が摘発される可能性がありました。そこで大島は日本で撮影を終えたフィルムは未現像のままフランスへ送り、現地で現像と編集を行って映画を完成させました。この方法を取ることで日本の刑法をすり抜けたのです。この作品は日本でも上映されましたが、そのときは外国映画が輸入されるのと同じ手順を取り、税関で審査され、日本の法律に則ってボカシだらけの映画として公開されました。しかし、海外ではノーカットで上映されています。
こうしたスキャンダラスな面ばかりが話題になりがちですが、映画としても素晴らしく、性以外の要素は一切入れずに、男と女が出会い、身体を重ね合うというシンプルな、それでいて根源的なむきだしの愛が美しく描かれており、公開時もリバイバル上映された時も女性客が多かったのが納得できる名作です。
映画評論家
吉田 伊知郎さん (男性・40代)
3位(75点)の評価