裏窓(1954年)の詳細情報
制作年 | 1954年 |
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上映時間 | 112分 |
原作 | ウィリアム・アイリッシュ『裏窓』 |
監督 | アルフレッド・ヒッチコック |
脚本 | ジョン・マイケル・ヘイズ |
メインキャスト | ジェームズ・スチュアート(L・B・ジェフリーズ)、グレース・ケリー(リザ・フレモント)、レイモンド・バー(ラーズ・ソーワルド)、セルマ・リッター(ステラ)、ウェンデル・コーリイ(トーマス・J・ドイル刑事)ほか |
制作 | アルフレッド・ヒッチコック |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | - |
参考価格 | 1,059円(税込) |
『裏窓』(うらまど、Rear Window)は、1954年のアメリカ映画。ニューヨークのとあるアパートを舞台にしたサスペンス。ウィリアム・アイリッシュによる同名の小説を原作とする。現在、パブリックドメインとなっている。AFIが選出した「アメリカ映画ベスト100」では42位にランクインした。(引用元: Wikipedia)
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感想・評価
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限られた視点のみで事件を解く緊迫感
物語の面白さもさることながら、カメラワークが素晴らしいです。物語は足を怪我して車いす生活をしているカメラマンが、ある日自室の裏窓から近所の情景をカメラで覗いていると、何やら事件のような出来事を目撃してしまいす。それが殺人事件だと確信したカメラマンは、自室にいながら犯人像を割り出していきます。通常映画というと、カメラを様々な場所に移動かもしくは設置して撮影しますが、この作品は物語の特徴から全編を自室で撮影しており、無駄な動きをせずに視点を絞った事で緊迫感に溢れています。観客は犯人が車いすで動けない主人公に近づいていると気が付きながらも、撮影カメラの視点の狭さによって目線が固定され、動けない感覚に襲われます。ロバート・バークス撮影監督のカメラワークは後の映画に多大な影響を与えていますが、この作品も本当に素晴らしい仕事をしています。
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観客と主人公を一体化させる恐るべき映画
映画館で映画を観ている間は、様々な不自由があります。上映前のマナーCMにもあるように、上映中にしゃべったり、携帯を見たりすると他の観客の迷惑になるので控えることは当然として、それ以前に自宅でDVDや配信で観るときと違って一時静止も出来ないし、トイレも極力上映前に済ませておくべきなので、上映中は基本的に立ち上がることも出来ません。つまり、身動きできない状況に置かれています。
アルフレッド・ヒッチコックという生涯にサスペンス映画ばかりを撮ってきた名監督は、観客を映画と一体化させる恐るべきアイデアを生み出しました。足を骨折して身動きできない男を主人公に、退屈した彼が自室から近所の様子をながめるというシチュエーションだけで映画を作ってしまいました。それが『裏窓』です。
セットの中に主人公の部屋から見える近所のアパートを全て作り、どの部屋で誰が何をやっているかを一目でわかるようにしました。
そんな中で主人公はひとつの疑惑を持ちます。向かいのアパートに住む男が妻を殺したのではないか? しかし、直接殺害する瞬間を見たわけではありません。妻の姿が見えなくなり、夫の怪しげな行動にそう疑いを持ち続けるのです。彼を監視するために望遠レンズ付きのカメラや双眼鏡で部屋をのぞき、遂には証拠を掴むため、恋人に彼の部屋へと侵入させます。
映画を観ている間、座席から立てない観客は主人公と同じ立場となり、手に汗握ることになります。疑惑の男がのぞかれていることに気づいて、カメラ目線になったとき、主人公と同時に観客も飛び上がりそうになります。実に見事な悪魔的なまでに映画と観客を一体化させる手法です。
それにしても面白いのは、この映画が描く〈正義感〉です。終盤近くまで、向かいのアパートの男が本当に妻を殺したのかどうかは明らかになりません。つまり、証拠もないのに犯人と決めつけた主人公が彼を監視し、部屋に侵入したり、郵便物を開封したりするのですが、もし違っていたら、主人公こそが犯罪者です。
正義の暴走が完全犯罪を防ぐこともできれば、罪もない市民を陥れることもできてしまいます。主人公と一体化した観客も、正義と犯罪の間で揺れ動くことになるのですから、まさに身も心も映画と一心同体になってしまうのです。これほど恐ろしくも面白い映画体験はめったに味わうことが出来ないでしょう。
映画評論家
吉田 伊知郎さん (男性・40代)
1位(100点)の評価