1分でわかる「高畑勲」
味わい深いジブリの世界を生み出す、高畑勲監督
高畑勲は1935年10月29日生まれ、三重県出身のアニメ・映画監督。 2018年に逝去するまで、監督やプロデューサー、演出家としてさまざまなアニメ・映画作品に携わりました。初めての映画監督作品は、勇敢な少年・ホルスが悪魔に立ち向かう『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)。東映動画(現・東映アニメーション)に勤めていた高畑監督と、盟友である宮崎駿監督が制作に携わった記念すべきアニメです。1981年には、テレビアニメに続いて監督を務めた『じゃりン子チエ』も公開。映画監督として華々しいキャリアを積みました。
宮崎駿監督との関係性
高畑勲が宮崎駿監督と出会ったのは、新卒で入社した東映動画。自身の後輩であった宮崎駿とは、ともに刺激し合える仲で数多くの名作を生み出だした盟友でもありました。その中で有名な作品が、宮崎監督の名作『となりのトトロ』の元になったと言われている『パンダコパンダ』(1972年)です。高畑監督が演出、宮崎監督が原画・脚本を手がけました。また2人の仲の良さが伺えるエピソードの1つとして、宮崎監督が呼ぶあだ名が「パクさん」というもの。高畑監督はよく遅刻をすることがあり、その際にパンをパクパクと食べていたことから名付けられたそうです。
スタジオジブリの誕生
1985年に宮崎駿監督らとともに、新たな映画製作のためにスタジオジブリを設立しました。会社設立には携わったものの、「製作者は経営の責任を負うべきではない」という思いからスタジオ経営には一切関わらず、亡くなるまで映画製作に力を注いでいました。そこで製作した作品は、戦争の悲惨さを訴える『火垂るの墓』(1988年)、狸たちが起こす反対運動をコミカルに描いた『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)など、社会的背景を織り交ぜつつ、客観的な作風。ジブリ映画にファンタジーではない新たな風を吹かせ、数多くの名作アニメ・映画を世に送り出しました。
この世を去っても愛され続ける、高畑勲
「お別れの会」について
2018年4月5日にこの世を去った、高畑勲監督。後日開かれた「お別れ会」には東映時代からスタジオジブリ時代の仕事仲間をはじめ、監督仲間、自身の作品の出演者など、多くの人々が参列しました。開会の辞を行った盟友である宮崎駿監督は、声を詰まらせながら高畑監督との思い出を語りました。
遺作『かぐや姫の物語』
高畑監督の最後の作品となった『かぐや姫の物語』(2013年)。日本古典の『竹取物語』を原作として製作されました。今までの作品とは少し異なり、手書き風で柔らかく繊細なタッチで描かれているのが特徴です。巻物のように連なり 、まるで1枚絵が動いているような動画を意識して作られたそう。日本人に馴染み深い昔話が、高畑監督の手によって新しいものへと生まれ変わった傑作です。
アニメ界での生き様を感じる「高畑勲展」
2019年7月2日から10月6日まで、東京国立近代美術館にて開催されていた「高畑勲展」。展覧会では、自身が製作した作品を異なる視点からみた世界観の秘密や、今まで未公開だった作品資料などが展示されています。高畑監督作品のファンの方はもちろん、そうでない方にも楽しんでいただける内容が盛りだくさんです。東京展で大好評を博したことから、岡山県立美術館において2020年4月10から5月24日まで開催されることが決定しています。
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空と冒険、そして希望の輝き
『天空の城ラピュタ』は、鉱山で働く見習い機械工の少年パズーが、空に浮かぶ伝説の空中都市ラピュタを夢見る冒険ファンタジーです。物語は、空から降ってきた謎の少女シータとの運命的な出会いから幕を開けます。
空への憧れを抱くパズーと、ラピュタ王族の末裔であるシータが、空賊ドーラ一家やムスカ大佐との攻防の中で、固い絆を育んでいく姿が物語の核となっています。また、人類の欲望と科学技術の暴走がもたらす破壊的な側面、そして自然との調和の中で生きることの大切さというテーマが、壮大な冒険の中で描かれます。「竜の巣」を突破し、雲の先に雄大なラピュタを発見する荘厳なシーンは、特に印象的です。そして、二人が手を取り合って「バルス」と唱える終盤のクライマックスは、視聴者に強い感動を与え、文明のあり方について考えるきっかけを与えてくれるでしょう。
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